運送日記

運送日記 その13

最近はカッコいい車がどんどん発売されているが、
田舎は軽だ!
軽自動車でなければとても走る事はできない。
道が明らかに軽自動車用に作られていて
その分の幅しかないからだ。
田舎でよく軽トラックを見る理由がよくわかる。

仕事には会社の車を使う。
何台か置いてあって適当に空いている車を使うのだ。
今日乗った軽ワゴンは、横ドア(ワゴン系の車にあるスライドするドア)の
締まりが悪く、かなり勢いをつけて閉めないと
ちゃんと閉まらない。
一度、荷物を届けた後、しばらく走ってると
横ドアが開いているのに気づいた。
ちゃんと閉まってなくて、走ってるうちに開いてしまったのだ。
めちゃめちゃあせったが、走りながら手を伸ばしてなんとか閉めた。
危なすぎ


運送日記 その14

荷物の届け先ではいろんな人がいる。
だが、たとえ髪がボサボサだろうと、
ジャージ姿でくつろいでいようと、
ズボンのファスナーが開いていようと、
気にしてはならない。
なぜなら、私の仕事は荷物を届ける事であって、
ファスナーの全開を指摘する事ではないからだ。
そして今日も一人で荷物を運ぶ。
そうさ、俺は一匹狼


運送日記 その15

あまりに静かだと、さすがに孤独感が強いので
聞き流す程度でラジオをつけていると
たまたま「カントリーロード」の曲が流れてきた。
おおう!!なんてジャストなBGM
「カントリーロード」を聞きながら田舎を走る一人の男。
俺、今めちゃめちゃカッコいいぞ。


運送日記 その16

今日は牧場に荷物を届けた。
「関係者以外 立ち入り禁止」の看板を越え、
牧場の敷地内へ入っていく。
そう、俺は関係者なのだ。めちゃめちゃいい気持ち。

猛烈に虫が飛んでいるので、急いで窓を閉めて進む。
すると視界にが。
ちゃんと牧場に来たという実感がわく。
牛ってホントに「モー」って鳴くのだ。

それはそうと、牛ってなんかめっちゃ見てくる。
事務所を探して歩いていると
ズラっと牛舎にいる牛が全員こっちを見てくる。
めちゃめちゃ眺めてくる。
「あ、俺、今すごく見られてる。見つめられてる。
 待ってろよ。もうすぐ食ってやるからな


運送日記 その17

通勤には家の車を使っているが、ついアクセルを踏みすぎてしまう。
アクセルの鈍い軽ワゴンに慣れてしまったのだ。
軽ワゴンはオートマチックだが、ギアが切り替わるのが遅いので、
スピードを出しても低いギアのままだったりして
かなり高いエンジン音が出る。
それに体感速度がかなり速い。
田舎道を走ってるとホントに気持ちいい。

ただ、パワーウィンドウではなく、
未だに手回し式の窓である。
しかし、周りの車に手回し式だとバレるとカッコ悪いので
一定速度でスムーズに回転し、
いかにもパワーウィンドウのように開けるのがポイントだ。


運送日記 その18

荷物の届け先で非常にかわいい子に出会った。
歳は22〜24。綺麗な長い髪のかわいい女性である。
俺と彼女、2人の間に何かが芽生えた。
しかしそれが育つ事はない。
なぜなら俺は運送屋、彼女は客。
住む世界が違うのだ。
彼女からもらえるのはハンコだけ。
もう彼女の事は忘れよう。
そして俺は今日も一人で走る。
そうさ、俺は一匹狼


運送日記 その19

バイトの給料は運んだ荷物の個数で計算されるので、
荷物は軽くて小さい方がありがたい。
重い物を運んでもたくさん給料がもらえるわけではないからだ。
なにより嫌なのが、大きくて重い物だ。
組み立て式の机や、ゴルフコンペの商品などが特にでかい。
何より私が嫌いなのは「洗剤」だ。
「アタックのギフト」を送られたら嬉しいとCMで言っているが
運送屋泣かせだ。やめてくれ。


運送日記 その20

きっちり届け先の住所が書いてある場合はいいのだが、
番地の記入がないものがある。
田舎は同じ名字の他人の家が相当集中して建っているのだ。
一人が「山本」さんなら、辺り一帯「山本」さんだったりする。
だから「番地」や「下の名前」で探すしかない。
なのに、番地を書いていない荷物があるのだ。
世帯主宛てなら、地図に「下の名前」が載っているので
まだマシだが、そうでない場合、直接その家に行って
聞かなくてはならない。
しかし、辺り一帯「山本」さんなのだ。
片っ端から「下の名前」を頼りに聞いていく。
しかも、田舎なので隣の家まで200メートルぐらい離れていたりする。
もはや「隣」とは言えないかもしれない。
こんな荷物をちゃんと届けるのがどんなに大変か。

今日の分の荷物でも、番地の記入がない荷物があった。
それも8件も。
よく見たら全部同じ人物からの届け物。
届けてやらねえぞ!!ボケ!!
ちゃんと調べて番地まで書け!特に田舎のやつは!!
全部まとめて、てめえの家まで届けてやろうか!!


運送日記 その21

代金引き替え便というものを知っているだろうか。
荷物を届けた時に、配達員に荷物の代金を支払うものだ。
あれが実はかなり面倒くさい。

何が面倒かというと、お釣りだ。
配達員はお釣りを払うために、細かい金を用意していなくてはならない。
それも、送料や消費税のせいでかなり細かいものがいる。
しかし、代金引き替えの届け物が何件か続き、お釣りを使ってしまうと、
両替するために事務所まで戻らなければいけないのだ。
なら最初から大量のお釣りを持っていけばどうなのか、というと
うちの事務所は配達員がお釣りを立て替えるようになっているのだ。
つまり、お釣りは一旦、自分の所持金を使わなければならない。

ちなみに現在の私の所持金は1万円(そのうち5千円は借金)である。
たとえ代金引き替え便の代金を受け取って、所持金が一時的に増えたとしても
大きい札だったりすると、お釣りとしては役に立たないのだ。
事務所まで帰るには往復で50分以上かかる。
できる限り、お釣りを長持ちさせなければいけないのだ。
だから私はローソンで万札を使う。
それも限りなく細かくなるように。

ちなみに代金引き替えでの代金は、物によってはかなりの大金になる。
先輩の伊藤さんは20万円の指輪を代金引き替えで届けた事があるらしい。
当然キャッシュだよ。


運送日記 その22

先輩の伊藤さんの話。

「今はもう寒くなったからいないけど、
 まだ暖かい頃に、ずーーーっと同じ場所で草引きしてるおばあちゃんがいてさー。
 たまたまその辺に荷物届ける日が続いたんだけど、
 毎日通るたびに同じ場所で草引きしてるんだよ。
 めちゃめちゃちっこいおばあちゃんでさー」

…いろんな人がいるね。


運送日記 その23

昨日から寒い!!
言いたい事はそれだけだ!


運送日記 その24

また届け先でかわいい子に出会った。
歳は20〜22。ひとり暮らしの女性だ。
今回は綺麗というより、「篠原ともえ」やジュディマリの「ユキ」のような、
ああいった感じのかわいさを持った子だった。
決して美人ではないが、いい子で、一緒にいると楽しそうなタイプだ。
しかし、ハンコをもらうとすぐに帰らなければならない。
例によって一匹狼

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