恋愛日記

恋愛日記 その1

女の子と出会わなくなってから
どれだけの時間が過ぎただろう。
思えば高校2年で文系・理系に分かれた時に、
理系を選んだのが女性遭遇率激減の始まりだったのかもしれない。

高校2年の時はクラス37人中、女子8人。
高校3年になると4人に減った。

専門学校に進めば多少はいるだろうと思ったが、
コンピューター系専門学校のため、
クラス55人中、女子3人とさらにひどくなった

就職すればドラマに出てくるような綺麗なOLたちがいるはずだ。
そう願って社会人となったが、
ゲーム会社に、期待できる女性などほとんどいない事実を知った。

諸事情により会社を辞め、私は母校である専門学校の教師となった。
1年前に感じた、女性のいない悲しさを再び味わう事になった。

女の先生なんてほとんどいない。
事務の女性は売却済み。
女子生徒とそう簡単に恋愛できるわけもない。

私の心は枯れていた。
女性はたくさんいるのに彼女ができないというのも辛いかもしれないが、
恋愛対象すらいないのは死にそうになる
私の心は砂漠と化した。


恋愛日記 その2

そんな砂漠となった私の心に
ある日、雨が降り注いだ。

専門学校時代の友人である柿田(仮名)から
バイト先で一緒の女の子を2人、コンパに誘えるかも、という話が出たのだ。

よっしゃぁぁぁぁあああああ!!
柿田、ナイスぅ。
心の友よ。
柿田は専門学校の3年生である。
歳は同じなのに、私たちは先生と生徒、そして友達である不思議な関係。

柿田もネットをしているのでチャットでひたすら話をする。
しかし、話によるとバイト仲間の女子高生らしい。
パタッ…(倒れた)。
いくらなんでも社会人が女子高生に手を出すのはまずいのでは…。
それに私はどちらかというと年上の方が好みである。
まあ社会人と言っても21歳だし、大学3年生と同じではあるのだが。


恋愛日記 その3

柿田は土日にしかバイトに入ってないらしく、
バイトの女の子とコンパの打ち合わせできるのは週に1度程度らしい。

しかもコンパの話がなかなか進まないようだ。

そうこうしているうちに女の子にコンパの話を持ちかけてから
3週間も過ぎてしまった。
おかげで、誘っている女の子から

その話、まだ続いてたんですか?

と言われる始末。
柿田、がんばれー!!

って俺、なんにも協力してないね。


恋愛日記 その4

柿田が誘っている女子高生とは別の女の子から
私たちと「コンパしたい」との声が上がったらしい。

「でも君、彼氏いるじゃん」と柿田が言うと、
「彼氏いるけど全然大丈夫!浮気OKよ」だそうだ。

バカ野郎!!
お前がOKでもこっちがNGなんだよ!
そんな女は大嫌いだ!


恋愛日記 その5

柿田がバイトへ行く前日に
「コンパの話を一気に進めよ。俺はいつでも予定ガラガラだ」
との指示を出した。

バイトが終わり、その日の夜のチャットで柿田が、
明日は?
おおおおお!!
いきなりすぎるが、まあいいだろう。
善は急げって言うし。
でも向こうの女の子も、
いきなり明日コンパとか言われて大変だったかもね。


恋愛日記 その6

平日に会う事になったので私は仕事帰りだ。
つまり仕事の時に着ているスーツで彼女たちと会うわけだ。
そのため、一番カッコいいと思われるネクタイとシャツを選び出す。
そしてネクタイを締めながら、チラリとテレビを見る。

おおおおお!!
「めざましテレビ」の今日の占いカウントダウン、
おうし座が一位ではないか!!
これはもう絶対うまくいくはず!

そりゃあ全国におうし座の人は山ほどいるから
全員がラッキーなわけはないって言われたらそれまでだけど、
今日に限っては、この一位の「おうし座」というのは
絶対、私の事である。
コンパの朝に占い一位。
はぁー、神様ありがとう。
そして、ムーンプリンセス妃弥子(占いの人ね)ありがとう。


恋愛日記 その7

なにを隠そう、私はコンパなど今まで一度もした事がなく、
どうすればいいのか、まったくわからない。

午後6時に女の子と会う事になっているが、
相手はまだ18歳のため、あまり遅くなるわけにもいかず、
しょうがないので今回は食事のみだ。
午後6時に会って、いきなり食事に直行である。

全然知らない店に適当に入ると
コンパ以外に不安材料が増えるので(料理がまずい・高いなど)、
私のお気に入りの店に行く事になった。


恋愛日記 その8

コンパは月曜日なのだが、
実はその日から期末テストが始まる。
先生である私は、試験監督やテストの採点など
試験関係のいろいろな作業があるのだ。

でも、そんな事はお構いなしだ。
今はコンパが最重要である。

柿田の方も、テスト勉強よりコンパらしい。


恋愛日記 その9

テスト中、カーッとしたりそわそわしたり
ドキドキしたりワクワクしていたが、
そんな仕事もやっと終わった。

彼女たちとは駅で待ち合わせるらしい。
柿田と2人で女の子を待つ。

待ち合わせの6時少し前に

「トイレ行ってこようかなー。
 いや、やめとこか…。
 どうしよっかなー。
 やっぱトイレに行ってくるわ」

と柿田。

おおぅ。不安だ。
今の私を一人にしないでくれ。
っていうか、今、女の子たちが来たらどうしよう。

しばらくして柿田が戻ってきた。
その間、それらしき女の子たちが来た様子はない。

時刻はちょうど6時である。
その時、電車が着いたらしく、
大勢の乗客が改札を通っていく。
ふと、女の子の2人連れが改札の向こうにいるのが見えた。

「あの子たちか?」

柿田に聞いてみる。

「あ、あの子たちだ」

やはりそうらしい。

向こうも柿田の姿に気づく。
おおおおおぉぉぉぉぉ!!
2人ともかなりかわいいではないか!
やったぞ、柿田!
すばらしいぃぃ!!


恋愛日記 その10

「南さん(仮名)と柴田さん(仮名)ね」

柿田に紹介してもらう。

はぁー、ホントにレベルの高い2人だ。
すばらしい。
柿田、君の見る目は確かだ。
疑っていた私が悪かった。

この時点でかなり舞い上がっているのだが、
本番はこれからである。

そう言えば、テレビか雑誌で、
コンパの場所まで、男同士、女同士で固まって歩くのはダメ
と聞いた事があるぞ。
納得できる言葉である。
いきなり男女の壁を作ってしまっては意味がないのだ。

という事で、すかさず女の子のうち1人の隣に並び、
話しかける。
柿田、もう1人はまかせたぞ。

私と並んで歩いているのは南さんの方だ
南さんは背が小さく、元気な女の子という感じだ。
年下という雰囲気をモロに持っている子である。
しかし、南さんも柴田さんも18歳なので、あと数日で高校を卒業する。
そう考えるとたいした歳の差ではない。
大学4年生と大学1年生の男女だと思えばいいのだ。

まずは適当な話をしながら
私のお気に入りの店まで歩く。
歩いている時にも、女の子が周りの通行人にぶつからないように
注意を怠らない。

いよいよ店に着いた。
さあ、運命のわかれ道である。
久しぶりのときめき、成功するのか?

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