恋愛日記

恋愛日記 その11

コンパは私と柿田、柴田さんと南さんの2対2である。
店自体には私は何度も来ているのでまったく心配はない。
奥へと案内され、いざ、席に座る。

その時にすかさず、「交差するように座ろう」と提案する。
つまり、

着席図

こういう事である。

なぜこうしたのかというと、この座り方だと、

着席図

女の子が正面、及び隣に座っているので
かなり話しやすい。
たとえ男同士で会話したとしても、女の子にも会話が聞こえ、
女の子たちを置いてけぼりにする事がないのだ。
正面、及び隣というのは警戒心を抱かせる位置関係でもあるが、
うまく仲良くなれば親近感がわく位置とも言えよう。

もし、テーブルをはさんで
男同士、女同士という風に分かれると、

着席図

男同士での会話が始まった時、
女の子に会話が聞こえにくい上に、
仲間はずれにしているようで失礼極まりない。
対角線上にいる女の子との距離もあるため、話しにくい。
しかも、対角線上同士の男女が話をすると
会話ラインが交差する事になり、ぐちゃぐちゃになるかもしれない。

隣に女の子を座らせて、正面に同性が来た場合は、

着席図

男同士の会話になった時に、やはり女の子が入りにくく、
対角線上の女の子との距離もあって話しにくい。

早い話が、
コンパに来ているのに男同士で盛り上がってどうする!
という事だ。
と、偉そうな事を言っているが、コンパは初体験である。

以上の事より、結局、以下のように座った。

着席図

私の隣が柴田さんである。
おおおおおぅぅ。
隣に座り、改めて確認したが、
上玉さん(エッセイ「先生日記 その7」参照)に匹敵するかわいさ!!
女子高生などとあなどるなかれ。
大人っぽいかわいさを持っているではないか。

南さんもかわいいし、話しやすくてよかったのだが、
私としては柴田さんの方が好みだ。

見ろ。
心臓が久しぶりに鼓動を始めたぞ。

食べ物を注文し、とにかく話しかける。
楽しませるのが第一だ。
ホームページのエッセイと
生徒に聞かせるための雑談ネタをフルに活用する。
俺は今、本気だ


恋愛日記 その12

柴田さんはめちゃくちゃおっとりした子だ(推定処理速度:25MHz)。

「はぁい」
「そ〜なんですよ〜」

といったしゃべり方である。
うむむ。文字だけでは単なるバカ女のように見えてしまうが
実際に聞けばわかってもらえるはずだ。
柴田さんの声のWAVファイルがあればいいのだが、そんなわけにもいかない。

わかりやすく書けば、

柴田さんのしゃべり方

って、わかりにくいか。
なんというか、今時珍しいほどに清純なのだ。
おそらく背中に白い羽が生えている事だろう。

早い話が、「いす取りゲーム」が苦手なタイプと言えば
わかってもらえるだろうか。
まあ、そこがかわいいんだけどね。
(ブリッ子などと勘違いしてはいけない)


恋愛日記 その13

南さんの方は完全に柿田にまかせて、
私はひたすら柴田さんと仲良くなるためにがんばる。

午後6時過ぎから店に入って
時間はすでに午後9時をまわっている。
かなりの間、話をしているのだ。

「じゃあさ、今度2人で遊びに行こうか」
「はぁい」

おっしゃぁぁぁぁあああ!!

「んーと、一応、電話番号とか聞いてもいいかな?」
「はぁい」

イェェェェェエエエエエエイ!

まず、私のPHSに柴田さんの番号を入力してもらう。
そうか。
下の名前は「紀子」って言うのか。

次に柴田さんの携帯電話に私の番号を入力する。
あ、そういえば私の名前を言うのを忘れていた。
相手の名前を聞いておきながら自分が名乗らないとは
なんと失礼な事をしてしまったんだー!
急いで名乗る。

「柴田さんて、自分から電話するの苦手なタイプでしょ」
笑顔でコクリ。
「じゃあ俺から電話するね」

よぉし、必ず電話するぞ!
いつか柴田さんを「紀子」と呼べる日を夢見て。


恋愛日記 その14

午後10時前となり、さすがに帰ろうかという事になった。
料金は4人で8700円ほど。
酒をまったく飲まなかったので結構安い。
とりあえず私がレジを済ませる。

普通にワリカンすると一人2000円ぐらいだが、
女の子はあんまり食べなかった上、
なんとなく女の子に同額払わせる気もしなかったので
女の子たちから各1000円だけもらった(全額おごると遠慮しちゃうタイプの女の子なのね)。

それなら、と柿田が3000円くれようとしたが、

「いや、いいよ」

と制す。

「なんで?」
「いや、俺、働いてるしさ」

カッコをつける
いや、実際すごく楽しいコンパ(コンパって感じじゃなかったけど)だったし、
こんな女の子を誘ってきてくれた柿田にも感謝しているのだ。
私はあと3日で給料日だったし。


恋愛日記 その15

店を出て、4人で駅まで歩く。
当然、柴田さんの隣に位置するように移動する。

「2人で遊びに行くのとかは大丈夫?」
「はぁい」
「嫌だったら言ってよ?」
「全然、嫌じゃないですよぉ〜」

頭の中が花畑になった

「じゃあ、近々、電話するから」
「はぁい」
「いきなり明日ってわけじゃないけど
 そのうちね」
「はぁい」

もう死んでもいいや


恋愛日記 その16

コンパ自体は無事に終わった。
いよいよ次の段階である。

私としてはコンパの時は4人で会ったので
次は2人で会う事に慣れる事が大切だと考えた。
いきなり一日中2人でデートというのは
向こうも警戒するし、疲れるかもしれない。
という事で、一旦、平日に仕事が終わってから
2人で会おうと計画した。

映画なども考えたが、映画というのは基本的に会話がない。
仲良くなるのが目的なので、会話をたくさんしたかったのだ。
メインは会話である。
会話しにくいようなイベントでは困るのだ。
という事で、デート自体は単にブラブラして軽い食事をするという事にした。

コンパは月曜日であった。
いきなり次の日の火曜日に電話するのもどうかなーって感じだったので
一日あけて水曜日に柴田さんに電話する事にした。
二日以上もあけてしまうと私の印象も薄れていくし、
相手にも失礼だからだ。

ちなみに水曜日は専門学校の3年生のテスト最終日である。
つまり、3年で卒業する生徒たちは
もう卒業式にしか顔を出さない。
学生の時の友達である戸川(仮名)も今年卒業であり、
会える日といったら今日と卒業式ぐらいしかないので
今日は戸川とブラブラする事にした。

もちろん私は仕事があるので
戸川は私の仕事が終わる午後5時半頃までどこかで時間をつぶすのだ。

そして私の仕事も終わり、戸川と待ち合わせて
午後6時あたりからマクドナルドに入った。

今日はとにかく「恋愛話をしよう」という事だったので
戸川のコンパ(先日、行われたらしい)の話や私のコンパ話、
それ以外にも恋愛関係の話をして大いに盛り上がった。

当然、柴田さんを近々、デートに誘う事も話した。
時刻は午後7時半となり、かなりの時間マクドナルドにいるので
そろそろ出るか、という事になった。
といっても、もう帰るわけではなく、
単に店を変えるだけだ。

ただ、上記で説明したように、
私は今日、この水曜日に柴田さんに電話をかけ、
デートに誘うつもりである。
今までの経験上、戸川と話し込むと午後10時頃まで
時間が過ぎてしまう。
それから柴田さんに電話していたのでは
やはり夜も遅いし(いくら携帯でも)、失礼だろうと思い、

「悪いけど、3分で終わらせるから
 電話をかけさせてくれ」

と戸川に断って、柴田さんに電話する事にした。

PHSの中の電話帳から柴田さんの番号を選び、
ドキドキしながらボタンを押す。

プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
電話にでんわ!
10回ほどコール音が聞こえているが、柴田さんは出ない。

プツッ!
あ、出た!

「こちらは、留守番電話サービスセンターです…」

パタッ…(倒れた)。
なぜだ。
電波が入らないのならわかるが
なぜ呼び出し音がしてるのに電話に出ないのだ。

戸川にもそう伝える。

「ダメだ。出ないよ。留守電になっちゃう」
「えー。そうなの!?
 ちなみに、こっちの電話番号って向こうの携帯に入ってるわけ?」
「うん。前のコンパの時に入れた」
「じゃあ、こっちの名前が向こうの携帯に出てるはずだよな?
 もしかして、わざと電話に出てないんじゃないだろうな?」

うそだぁぁぁぁああああああ!!

そんな…。
そんなバカな…。
だって前、「近々、電話するから」って言った時、
嫌な顔しなかったし…。

「いやー、その時断りきれなかったりしてさー、
 それで電話がかかってきて、『生島』の名前が表示されてるの見て、
 『あー、出ないでいよう』とかってさー」

そうなのか?
そうなのか?、柴田さん。


恋愛日記 その17

とりあえず、戸川と喫茶店に行く事にした。
学生の頃、長話するのによく使っていた喫茶店である。

店員「ご注文お決まりでしょうか?」
戸川「ホットケーキメロンソーダ
 私「チョコレートシェイク
店員「かしこまりました」

はぁー、男二人で何を頼んでんだ、俺たちは。
そう言えば、前、柴田さんとチェコパフェの話とかもしたなー。
柴田さんとチョコパフェ食べたい…。

「あ、そう言えば、柴田さん、
 家の中では携帯を部屋に置きっぱなしにするらしいから、
 下の部屋でテレビとか見てて
 電話の音に気がつかないだけかもしれない」
「おう。そうかもな。
 じゃあ、そのうちかかってくるかもしれないぞ」

1時間経過…

「かかってこないじゃん」
「うん、ピクリともしないよ」

はぁー、元気がなくなっていく…。
地球のみんな、
 オラに少しずつ元気を分けてくれ!
(by 孫 悟空)」


恋愛日記 その18

気分を落としつつも、やはり恋愛話で戸川と盛り上がる。
そうこうしているうちに、時刻は午後9時半。

「そろそろ帰るか…」
「ああ、結局かかってこなかったな」
「うん」

トボトボしながら駅まで歩く。
使っている電車が違うので、戸川とは駅で別れるのだ。

「じゃあな」
「おう。次は卒業し……あっ!!

胸に感じるこの振動。
内ポケットに入れたPHSのバイブ機能が働いているのだ!

「かかってきた!」
「え、うそ!?」

PHSの液晶画面に確かに「柴田 紀子」と表示されている。
よっしゃぁぁぁぁああああああ!!

あわてて電話に出る。

「はい!」
「あー、電話くれたみたいで…」
「うん!あ、それでね、
 えーと、また2人で会えないかなーと思って…。
 こないだみたいのじゃなくて、
 今度はまあブラブラって感じで、
 食事もどっかで軽くすませるぐらいでどうかなー」
「はぁい」
「2人で会うのとかは大丈夫?」
「はぁい」
「えーと、確か土曜日は高校の卒業式だよね?
 じゃあ、明日かあさってぐらい、あいてるかなー?」
「えーと、金曜日(あさって)はバイトが入ってるんで…」
「じゃあ明日は?」 ←って俺たち、そんなのばっかり
「あ、大丈夫です」
「じゃあ、明日6時に駅のところで」
「はぁい」
「友達とか連れてきちゃダメだよ」
「はぁい(笑)」
ガチャ。

イェェェェエエエエス!!
デートの約束を取り付けた事を戸川にも伝え、
喜びを分かち合う。

この後、私はニヤニヤしながら
家まで帰ったのである。

前へ前へ    次へ次へ



戻る戻る
表紙へ表紙へ