恋愛日記

恋愛日記 その19

期末試験の試験監督をしている間、やたら暇だったので、
柴田さんとの関係をいかに進めるかというプランばかり練っていた。

生徒たち、ごめんな。
みんながテストをがんばっている時、
先生は別の事でがんばっていたよ…。


恋愛日記 その20

私は朝にシャワーを浴びるのだが(その分、夜は入らない)、
今日は柴田さんと2人でデートという事もあって、
かなり念入りに体を洗っていたので、
朝の電車に一本乗り遅れて、遅刻しかける始末。
危なかったのである。

午後5時半頃に仕事を終え、待ち合わせ場所である駅へと向かう。
駅までは10分ほどなので
約束の6時までは結構時間があるのだ。
しかし、店に入ったり本屋に立ち寄ったりせずに
私は駅で柴田さんを待つ。

電車が着き、改札口に人があふれるたびに
柴田さんの姿をその中に探す。
こういうのも結構楽しいし、また、嬉しい。

6時ちょうどの電車で柴田さんが来た。
今日は初めて2人で会うのである。
今日失敗すれば「2人で会っても楽しくない男」となってしまうだろう。
ここが勝負どころである。

そこで今日は会話を中心にしようと考えている。
いざカップルとなれば、遊園地や映画などで楽しめばいいのだが、
今は、私自身が楽しいかどうかを見せる時なのである(と、考えた)。

つまり、メインイベントはない。
ブラブラして、どこかで軽く食事するだけ。
ただしトークで楽しませるのだ。

まだ6時なので、
とりあえずプリクラでも撮りに行こうかと誘う。 ←ようするに柴田さんと撮りたかっただけ

プリクラと言えばゲームセンターである。
という事で、早速向かう。
もちろん、移動している間もトークは忘れない。

ゲーセンに着き、無事プリクラを撮ったのだが
やはり写真というのは難しく、
写真写りの悪いプリクラになってしまったかもしれない。
まあ、これから先、たくさん撮っていけばいいのである(そう願う)。

暇つぶしにゲームもした。
もちろん、格闘ゲームとかシューティングゲームなどではなく、
初めてでもすぐに楽しめる体感レースゲームや
ガンシューティングなどである。
結構楽しんだ後、なんか食べようという事になった。
前のコンパの時が居酒屋という感じで結構重かったので
今回は軽い雰囲気という事でマクドナルドに行く事にした。
(こういう肩を張らなくていいデートは大好き)


恋愛日記 その21

柴田さんと会話がはずむ。

「あー、南さんがアルマゲドン見てきたって言ってたー」 ←柴田さんから話題をふってきた
「へー。見てきたんだー。感想とか言ってた?」
「スゴかったって」
「普通の感想だなー(笑)」
「(笑)」
「あ、そうそう『踊る大捜査線』って
 この辺じゃ、まだ上映してるらしいよ」 ←前のコンパでこの映画の話題をしてた
「そうなんですかー?」
「うん。もうどこもやってないと思ったけど、
 なんか別の映画と毎回交互にやってるみたい」
「へー。まだやってたんですねー」
「今度2人で行く?」 ←当然、誘うつもりでチェックしてきたのね
「はぁい」 ←よっしゃぁぁぁあああああ!!
「ホントに?嫌だったら言ってよ?」
「(笑)」 ←嫌でないような雰囲気(?)
「じゃ、来週あたりに行こっかー。
 あと、一回休みの日とかにも遊びたいよね?
 平日ばっかりじゃ、する事限られちゃうし」 ←ゆっくり2人で歩いてみたいの
「はぁい」
「○○とかでブラブラするのもいいよなー。
 また今度、空いてる休日とかにね」
「はぁい」 ←よっしゃぁぁぁあああああ!!
「ちょくちょく会ってないと、俺の事忘れちゃうといけないしね」
「大丈夫ですよぉ(笑)」 ←嬉しい言葉

改めて書いてみると、かなりのバカさ加減。
恋に燃える男の姿が今ここに。


恋愛日記 その22

私は21歳。柴田さんは18歳。
2人は3歳離れているわけだ。

同じ3歳差でも、大学4年生と大学1年生ならいいのだが、
向こうは高校卒業したばかり(4月から短大生)。
私は仕事についてる社会人である。

私の学生の頃のバイト先に、
1つ年上で仕事してる女性がいたが、
たとえ1歳の差でも、「働いている」と聞くと
すごい立場の差を感じたものだ。

もしや、柴田さんも私との間に
そんな差を感じているのではないだろうかと不安になる。
それが原因で恋愛対象からはずれるのは嫌だ。
実際に聞いてみる。

「柴田さんって兄弟は?」
「お兄ちゃんと弟」
「そうなのかー。お兄ちゃんって何歳ー?」
「2つ上だから、20歳です」 ←ちょっとショック
「えー、じゃ、俺ってお兄ちゃんよりまだひとつ上なんだー。
 柴田さんと3歳も離れてるもんなー。
 えー、どうなの?
 俺って働いてるし、やっぱり社会人とかって差を感じる?」
「え〜、でも全然、社会人って感じしないじゃないですかぁ〜」
「そっかぁー(笑)」

それって喜んでいいのか?


恋愛日記 その23

さらに会話は続く。

「こないだ電話した時さー、
 学生の頃の友達と会ってたんだよ。 ←「恋愛日記 その16」参照
 んー、それでね、7時半頃電話した時、
 柴田さん、バイトで電話に出なかったでしょ?
 んで、もしかして俺、嫌われたかなーって
 すごい思ってた」
「え〜、そんな事ぐらいで
 嫌われたって思うんですかー?」
「いやー、最初の電話だったしねー」
「(笑)」
「うん。それに電話かけるの苦手だって言ってたしさー」
「え〜、かかってきてたらかけますよぉ(笑)」
「そっかぁー(笑)。
 こうやって遊びに来るのとかは大丈夫?
 嫌じゃない?」 ←何度確かめても不安。断りきれずに来たのかもって思っちゃう
「はぁい」
「俺としては柴田さんと付き合いたいと思ってるんだけどなー。
 どうかな?」 ←今思うと、かなりフライングだ。あせったか?
「んー」 ←困惑
「……(ドキドキ)」 ←返事を待ってる
「まだあんまり知らないから、よくわからない…」
「そっかぁー。そうだよなー。
 まだ2回しか会ってないもんなー」 ←ハッキリ断られなくて、ちょっと安心してる

でも、簡単にOKするような子よりはいいかな。
逆に好感度UPかも。 ←なんでもいいように考える


恋愛日記 その24

そろそろ時間も遅くなってきたので
帰る事にした。
柴田さんは午後10時までに家に着かなければいけないのだ。

それにしても長い間、話をしていた。
結局マクドナルドで1時間半以上も話してた事になる。
それだけ仲良くなれたと思っていいのだろうか。

2人で歩いていると、
コートのそでの部分がよく当たる。
2人ともポケットに手を入れたりしてないので
お互いコツコツとよく当たるのだ。
それぐらい側にいるなら、いっそ手をつなげるのではないか?、などと
考えながらしばらく歩いていると、駅に着いた。

「じゃあ、またそのうち電話するよ」
「はぁい」
「来週、また遊びに行こうな」
「はぁい」

そして駅で別れる。
来週の平日、休日にデートに誘えただけでかなり嬉しいのだ。
とりあえず、2人だけのデートはそれなりに成功だったと言えるだろう。


恋愛日記 その25

デートから3日後、
来週の予定をハッキリさせるため、
柴田さんに電話をかける。

プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
またつながらない!!
どういう事だ。

前はバイトで電話に出られなかったらしく
午後9時半頃に向こうから電話がかかってきたが、
今日はその事を考えて、
バイトから帰ってきているであろうと思われる午後9時50分に
電話をかけているのである。
なぜ出ないのだ。
やはり嫌われたのか?

しばらく落ち込む。
音楽を聴きながら、頭の中をからっぽにして、
時間が経つのを待った。
時刻は午後10時半。
もう一度、電話をかけてみよう。

プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
プルルルルルル…。プルルルルルル…。プルルルルルル…。
やはり、出な…プツッ。
あ、出た!!

「はぃ」
「あ、生島です」
「はぁい」
「えーと、来週あいてるかなー?
 映画行こうって言ってた分だけどー」
「あ、はぃ。えーと、2、3、4日と全部あいてるんで、
 いつでも大丈夫ですー」
「んじゃ、火曜日にしよっかー」
「はぁい」
「前のところで6時でいいかなー?」
「はぁい」
「あと、休日はどう?」
「あ〜、土曜日、クラブの送別会が入っちゃったんですよー」

ガァァァァアアアアアンンン!!!
かなりのショックである。

「えっ、そうなの!?
 確か日曜日はバイトだったよねー?」
「はぁい」
「そっかぁー。じゃあ、しばらく休日は会えないなー。
 来週は俺が仕事だし…。残念…。
 まあ、その分、平日に遊ぼっかー」
「はぁい」

さらに20分ほど話をした。
柴田さんと電話で長く話をするのは初めてだ。嬉しい。

「うん。じゃあ火曜日に映画って事で」
「はぁい」
「じゃあ、いつものところで6時に」 ←こういうのが嬉しい
「はぁい」
ガチャ。

はふー。とにかく休日に会えないのが残念だ。
相当ショックである。
休日デートができれば、一気に押せると思ったのだが…。


恋愛日記 その26

いよいよ2度目のデートである。
映画は午後6時半から。
私の仕事が終わる時間から考えて、待ち合わせは午後6時なのだ。

つまり、食事をする暇がないのである。
柴田さんの方には「来る前に何か食べてきなよ」と言ってあるのだが、
私は仕事が終わってすぐデートに直行なので
何も食べる事ができないのだ。

ちなみに映画が終わるのは午後8時半だが、
柴田さんの帰りが遅くなると行けないので
食事などはせずにお別れするのだ。
つまり、私は家に帰るまで我慢である。

それにしても、映画版「踊る大捜査線」が公開されたのは98年10月31日。
今日が99年3月2日。
かなり時代遅れの2人である。

でも、お互いこういうのんびりした雰囲気の方が好きなのだ。
2人とも、騒がしいところや人が大勢いるようなところは嫌いなのである。
それでいいのだ。
私の目指す最終形態はチャーミーグリーンだし(古いか?)。


恋愛日記 その27

レディースデーだったので柴田さんの分は千円、
私の分と合わせても2800円である。
一回のデート代としては非常に安い。

「踊る大捜査線」のブームがすでに去っているので
映画館はガラガラだ。
一番見やすそうな席に2人で座る。
すると、柴田さんが財布から千円札を取り出そうとした。

「いや、いいよ」
「いえ、払いますよぉ」
「いやいやいやいや、いいよ、いいよ」
「いえいえいえ、ダメですよぉ。前の分も出してもらったのに…」 ←泣きそうなほど遠慮する

ちなみに前の分とはゲーセン代+マクドナルド代で
2人合わせても2千円以下である。

「いや、旅行(卒業旅行に行くらしい)の時のために置いときなよ」
「いや、でもホント、悪いですよぉ…」 ←すごい悲しそうな顔

喫茶店のレジでのおばちゃんたちのような2人。
はぁ、今時こんな子がいたとは…。
千円おごるのを納得させるだけでやたら苦労した(でも、そんな性格が好き)。


恋愛日記 その28

ぐぅ…。腹がなる。
もうダメだ。
私の胃の中にはもう空気しか入ってないだろう。
スクリーンの中では青島(織田裕二)が、

「事件は会議室で起きてんじゃない!!
 現場で起きてんだ!!」

と叫んでいるが、私の腹の中もすごい事になってるぞ


恋愛日記 その29

映画の中の出血シーンを見て
体の力が抜ける(私は血に弱い)。
手をギュッと強く握る事すらできないほどだ。

そうだ!!
そんな事を考えてたら突然思いついた。

柴田さんと手をつないで歩こう!
手をつないで歩きたいとは前から思っていた。
しかし、よく考えると今がチャンスなのではないか?

デート開始直後というのは、
前に会った時から日にちがあいているため、
2人の仲良し度が下がっているはずである。
そして再び会い、デートをしてるうちに、以前の仲良し度が戻ってきて、
デートが終わってお別れする寸前がピークとなるはずだ。

仲良し度グラフ

つまり次のデートの最初で手をつなごうとするよりも
デート終了直前の今の方が仲良し度が高いため、
成功する確率も高いのではないだろうか。

問題は、まだ付き合ってもいないのに嫌がられないかどうかである。
もうちょっと待つべきか?
あと何回かデートしてからの方がいいのか?
でも、手つなぎたい。
それに、ここで手をつなぐ事に成功しておけば
次回のデートもスムーズに手をつないで歩く事ができる。

基本は押しだ!
女の子を落とすには押し押し押し押し押し!
引いたところで、柴田さんは向こうから押してくるようなタイプではない。
行くぜ!

映画が終わる。
映画の感想を話しながら
映画館を出てエレベーターに乗る。
6階の映画館からエレベーターで下りるのだ。

チン!
エレベーターが1階につき、そのまま駅の方向へ歩く。
そして、

「柴田さん、手、つないでもいい?」 ←いきなり手をつなぐと失礼なので
「え、でも今、汗かいてますよぉ」 ←嫌がってるのか?
「うん。全然平気」
「(笑)」 ←許可が下りた?

いざ手を握る。
抵抗する様子もなく(?)、ごく自然に手をつなげた。
よっしゃぁぁぁぁああああ!!!

もう8時半過ぎなので柴田さんとどこかで
食事する時間はない。
柴田さんをあまり遅く帰らせるわけにもいかないのだ。
そのため、駅に向かう。

ああー、駅に着いてしまう…。
もう今日は終わりなのか?
神様、お願いします。
もうちょっとだけ手をつないだままでいさせてくださいー!!
神様、もう少しだけ(by 深田恭子)」


恋愛日記 その30

手をつないだというだけで、かなり進展があったように感じる。
次回のデートからも手をつないで歩くつもりだ。

期待しすぎない方がいいのはわかっている。
フラれた時のショックが大きいからだ。
でも、今はただ嬉しい。
必ずや、柴田さんを我が彼女に。

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