先生日記

先生日記 その13

以前、「ろくでなしブルース」を描いていた「森田まさのり」が
今、少年ジャンプで「ROOKIES(ルーキーズ)」というマンガを連載している。
私はジャンプを買っていないので
コミックでこのマンガを読んでいるのだが、
あのマンガの主人公は新人教師なのだ。

新人教師って今の私と同じじゃん!
めちゃめちゃ感情移入する。
とりあえず、野球部でも作るかって感じ。
あんな不良いないけど。


先生日記 その14

4組の2時間授業の間の休み時間に
「3年に一度の上玉」さん(以下、上玉さんと呼ぶ)が

「先生ー、食べます?」

と、プリングルスをくれた。
やったー!
かなり嬉しいぞー!

でも、本当はプリングルスよりも
君が欲しい


先生日記 その15

事務のマリアさんは、本当に美人なので
生徒の中にも気になっている人がたくさんいると思う。
実際、私が学生の頃にも
周りからマリアさんに対しての声が上がっていた。

しかし、生徒の立場から事務のマリアさんに近づくのは
まず無理である。
せいぜい、検定試験の申し込みの時に話しかけるぐらいしかない。

だが、先生の場合は、
なんと、向こうから話しかけてきてくれるのだ。
生徒の時とは大違いである。

でも、業務連絡だけど。


先生日記 その16

私の勤めている専門学校には
授業カリキュラム別に、「OAビジネスコース」、「CG/CADコース」など、
いくつかのコースに分かれている。
私が教えているのはゲーム業界を目指す生徒たちのための
「ゲームソフトコース」だ。

授業でコースについての話をしていた時、
「上玉」さんが友達につぶやいた。

「私、ゲームもしないし、ゲーム会社に入るわけでもないのに、
 なんでゲームソフトコースに来たんだろ?」

それはね、私に会うためさ。


先生日記 その17

私は非常にカレーが好きだ。
先輩の松本先生(仮名)もかなりカレー好きらしく、
次の土曜日、仕事が半日で終わったあと、
カレーを食べに行く事にした。

松本先生のお薦めのインド人の店員がいる、
本格派のカレー屋である。

しかも、知り合いの女子生徒も一緒だという。
やったー!
最近、まったく出会いというものがなく、
女の子とそうやって会うのはとても久しぶりだ。

ある意味、カレーコンパである。
略してカレコン。


先生日記 その18

いよいよ土曜日である。
カレー屋には、先輩の松本先生(仮名)と
早見先生(仮名)と清原先生(仮名)の3人で行く事になった。
期待の女の子2人はあとから店にやってくるらしい。

しばらく歩くと店に着いた。
店の看板には「スリランカ料理」とある。
って事は、店員はインド人じゃなくて
スリランカ人なのでは…。
どうやら松本先生は黒人はすべてインド人に見えるらしい。

スリランカ人(推定)に案内され、奥の席についた。
すると、店の前で女の子が来るのを待っていた松本先生が
女の子を連れて帰ってきた。

さあ、どんな女の子かな…。
!!

やっぱり、今日のメインはカレーだからね。
そうそう、別に女の子と会うために来たわけじゃないんだもん。


先生日記 その19

メニューを開いて、どれにするか考える。
おっ、ランチセットがいいかも…。
すると店員が、

「今日ハ、ランチはナシね」

な、なに!
よく見ると、「ランチは平日のみ」と書かれている。
むむー。
スリランカでは土曜日は休日扱いなのか?


先生日記 その20

じゃあ、単品で頼むか…。
なに!
ビーフカレーが1200円!?
た、高い…。

しかも、よく見るとメニューの写真には
カレーしか写っていない。
ごはんが写っていないのだ。
も、もしや…。

「あのー、これってライスは…」
「アー、コレ、ライスはナシね。
 ライスは別ヨ」

むー。
なにやら…、
なにやらズルいぞ、スリランカ。
それともスリランカでは
カレーのルーだけで食べたりするのか?

「カレーとライスで1500円ダケド、
 セットで頼メバ、紅茶とコロッケも付イテキテ
 2000円ダカラ、お得ヨ」
「う、うーんと、じゃあセットで…」
「ハイ」

まあ、本場のカレーというだけあって
ある程度の出費は仕方ないな。
セットで頼めば、それなりの値段だから、
まあいいか。

「僕もAセットで」
「じゃ、僕も…」

松本先生と早見先生も同じくセットである。
というか、それしか選択肢がないのだ。

清原先生はどうするのかな?

「僕はビーフカレーとライス、単品で」
「アー、カレーとライス、1500円。
 セットで頼メバ、紅茶とコロッケ付イテキテ、
 2000円ダカラ、お得ヨ」

このスリランカ人は単品で頼もうとする客に
毎回同じセリフを言っているのだろうか。

「いえ、単品でいいです」
「ワカリマシタ」

それでも、清原先生は単品で
ビーフカレーとライスを頼んだようだ。
昨日、パチンコで負けたため、
かなり金欠らしい。

その時のみんなの心の中:

私「セットの方がお得なのに…」
松本先生「バカ…」
早見先生「セットの方がたくさん食える…」


しばらくすると、コロッケが出てきた。
日本でよく見かけるコロッケではなく、
ボール型のものである。

「コッチの辛いソースか、コッチの甘いソースをカケテ
 食ベテクダサイ」

辛い方のソースをかけて食べると
これが、なかなかうまい。

「これ、うまいですね」
「うん、なかなか」
「清原、悪いね」

清原先生以外の全員、セットメニューのため、
コロッケを食べている。

みんなの心の中:

私「やっぱりセットにしてよかった」
松本先生「清原も頼めばよかったのに…」
早見先生「コロッケ、もう一個欲しいな」


清原先生の前に、単品で頼んだカレーとライスが
やってきた。
それもなかなかうまそうである。
私もセットの中のビーフカレーを選んだので
あれと同じ物が出てくるのだ。
松本先生と早見先生はチキンカレーだ。

しばらくすると、私たちの分のカレーが運ばれてきた。
まず、ライスが運ばれる。
そして、カレーも運ばれてきたのだが、
松本先生と早見先生のチキンカレーが
1つの皿に入れられている。
さらには、3人のセットに共通する豆カレーと野菜カレーは
大きな1つの皿にそれぞれ入れられている。

「コレ、3人分ネ」

日本なら、たとえメニューがダブっていても、
一人一人に別の皿を用意する所だが、
この店では、とにかくまとめて出すようだ。

それぞれの皿にはスプーンがついており、
それでカレーをすくって、ライスにかけて食べるのだ。

それにしても、一人当たりの量が
非常に少ない。
同じビーフカレーでも、セットメニューの中のカレーは
単品で頼んだ清原先生のビーフカレーの
3分の1ほどしかない。

みんなの心の中:

私「清原先生、これで勝ったと思わないでくださいよ」
松本先生「これがスリランカか…」
早見先生「とりあえず、いっぱいあるからいいや」


確かにビーフカレーのルーは少ないが、
それ以外に豆カレーと野菜カレーが
3人分あるのだ。
わかりやすく書くと、

ビーフカレー×1
野菜カレー×3
豆カレー×3
チキンカレー×2

がテーブルの上にある。
数字の上ではルーが9人分もあるように感じるが
3つでやっと1人分といった量なのだ。
逆に言うと、「ビーフカレー×1」は実質、1人分の3分の1ほどしかない。
しかも、皿は1種類のルーに1つずつ、つまり4つしかない。
すべてまとめられているのだ。
そこからスプーンでいちいち取り分けなければならない。

豆カレーのルーをライスにかけて
食べてみる。

むー。
なんというか、気持ち悪い。
クリームシチューをごはんにかけて食べているようだ。
私には合わないな。
しかたがない。
ビーフカレーだけで食べるか。

といっても、ビーフカレーのルーだけでは
限りなく少ないのだ。
たったこれだけのルーで、この量のライスを
カレーライスとして食べなければならないのか。

実際食べてみても、やはりライスが多い。
なんだか単にごはんを食べに来たかのようだ。

チラリと前を見ると、松本先生も
やはりライスが多いらしく、
非常に苦労している。

「まだこれから紅茶が出てくるんですよ。
 大丈夫ですか?」

そうだ、完全に忘れていた。
清原先生の鋭い一言。
むむー。
ハッキリ言って、もう十分という感じだ。

みんなの心の中:

私「紅茶はいらないから、その代わりにルーをくれー」
松本先生「清原めー。わざわざ言わなくてもいいものを…」
早見先生「そうだ。まだ紅茶も飲めるんだった」


ついに苦労して、ライスをたいらげた。
最後の方は、もはやカレーの味などしない、
単なるごはんを食べていた。
しかし、まだ豆カレーとチキンカレーのルーが残っている。

「僕、これちょっと合わないので
 食べてもらっていいですよ」
「あ、いや、俺もちょっといらないなー。
 豆がコーンだったら、まだいいんだけど…」
「では、私が…」

結局、早見先生がすべて引き受ける事になった。

早見先生は何を思ったか、
豆カレーを少し食べ、「辛さが足りない」などと言いながら、
豆カレー(注:黄色)にチキンカレーを注ぎ始めた。
皿の中で2つの色が混ざっていく。
うげげげ…。
早見先生、それは一体、どこの国の作法なんですか?

でも、結局全部食べてしまった。
ついにカレー皿が片づけられていく。
悪夢が去ったようだ。

しばらくするとセットメニューの最後の品である、
紅茶が私たちの前に運ばれてきた。
よかった…。
紅茶も3人分のカップでまとめて出てくるかと思ったが
ちゃんと人数分のティーカップである。

しかしながら、テーブルの上に砂糖やミルクといったものはない。
必ずこの配合で飲め」という事か…。
スリランカでは普通なのだろうか。

その時、店員が来て、

「コレ、サービスね」

清原先生の前に私たちと同じティーカップが置かれた。
な、なにー!
単品で頼んだ清原先生に、
セットで頼んだ私たちと同じ紅茶が…。
そんなのって…。

みんなの心の中:

私「くーっ、完敗だ…」
松本先生「清原が正しかったという事か…」
早見先生「結構食べられたから、まあいいや」


敗北感を抱きつつ、私たちはカレー屋をあとにした。

恐るべき、スリランカである。
外国というのは、まだまだスゴイところなんだと、
再認識させられた。

そして、いざという時に頼りになる男、清原先生。
今回は完全にあなたの取った行動が
正解のようです。
目先のものに動いてしまった我々が間違いでした。
勉強になりました。

早見先生、なんでも食べれるんですね。
世紀末に何かが起こっても、必ず生きていけそうですね。
ある意味、尊敬できます。

松本先生、私はもうあの店には行きません。
今日の事は早く忘れたいんです。
今度はスリランカじゃなく、日本のカレー屋にしましょう。


先生日記 その21

実習課題のためのプリントを作った。
生徒に配るためだ。
生まれて初めて作った私のプリントである。
自分が作ったものが生徒分(約200枚)印刷されていくのを見ると
かなり感激する。

記念写真:

実習課題
私の処女作。

受け持つ授業のない空き時間に
こそっと撮ったものである。
さすがに職員室でフラッシュを使うわけにはいかず、
暗い写真になってしまった。

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