五冊目


4月12日(昭彦18歳)
今年一年、予備校に通う事になった。
今年こそは確実に受からなければならないので
日記は書かない事にする。
少しの時間も勉強に専念したい。

8月25日(昭彦18歳)
久しぶりに日記を開いた。
予備校は夏休みといってもほとんど関係ない。
結局夏期講習だなんだといって勉強してるのだ。
まあさすがに今年も落ちるとシャレにならないので
遊んでいるわけにもいかないのだが。

3月2日(昭彦19歳)
なんとか合格した。
今年はK大学経済学部一本に絞って受けた。
どうせ他の大学に受かっても行く気はしなかったのだ。
一年間、親にも迷惑かけた。
4月からは大学生だ。

4月20日(昭彦19歳)
猛烈にやる事が多い。
大学に入ったらゆっくり遊べると思っていたのだが
それは3回生とかの話らしい。
入学したばかりの俺たちはとにかくレポートやらなにやらで
忙しくてたまらない。

5月17日(昭彦19歳)
キャンパス内で隆志を見かけた。
向こうも気づいたようだが、お互い話しかけようとはしなかった。
俺が浪人している分、隆志は1年先輩になる。
なにか負けたようで気分が悪い。

6月1日(昭彦19歳)
大学生になったし、バイトを始める事にした。
家の近くのコンビニだ。
ここなら学校が休みの日でも行きやすい。

8月1日(昭彦19歳)
大学で嬉しいのは夏休みが長い事だ。
10月までの2ヶ月間、たっぷり休める。

9月8日(昭彦19歳)
せっかく休みが長いのに、ほとんどバイトでつぶれている。
バイトじゃないときはレポートだ。

9月22日(昭彦20歳)
20歳になった。ついに成人だ。
酒も飲めるし、選挙権もある。
一人前になったようで嬉しい気分だ。

3月12日(昭彦20歳)
前の日記からかなり時間があいた。
バイトもほとんど毎日入ってるから
あまり日記を書く時間もなくなってきた。

6月30日(昭彦20歳)
彼女ができた。
バイト先で知り合った美紀という同い年の子だ。
彼女は近くの短大に通っているらしい。
雰囲気が少し高野さんに似ている。

7月15日(昭彦20歳)
去年よりはマシだが、学校がかなり忙しい。
平日は学校とバイト、休日は美紀と会っているので
あまり時間が空かない。

7月25日(昭彦20歳)
バイト先で彼女ができると
バイトなのに彼女と一緒に入れるから嬉しい。
大変なバイトでも楽しくなる。

10月4日(昭彦21歳)
美紀ともかなり慣れてきた感じだ。
高野さんの時とは違う安心感がある。幸せだ。

12月24日(昭彦21歳)
美紀の家のクリスマスパーティに行った。
楽しかったが美紀のお父さんやお母さんもいて
やたら緊張した。

3月10日(昭彦21歳)
今年も単位は問題なかった。
友達の中にはサボリが多くてギリギリだったやつもいるが
俺はサボるのはあまりやりたくない。

4月20日(昭彦21歳)
もう3回生だ。早い。
相変わらずコンビニのバイトを続けているが
遊びに行ったりしてるといっこうに金が貯まらない。

5月7日(昭彦21歳)
ここまで間隔を空けて書いていると
とても日記ではない。
月記か年記と言った方が正しそうだ。

6月11日(昭彦21歳)
今から考えると高校生の時は自由な時間がかなりあったと思う。
そのころは学校が忙しいとか言ってたが
それでもかなり時間が多く使えてたのだ。
大学はやっぱり大変だ。

7月29日(昭彦21歳)
隆志は大学でもかなりトップの方らしい。
しかもすでに就職の内定を取ったようだ。
あいつは今年卒業だからな。
俺も来年の今ごろは就職活動しているはずだ。

1月1日(昭彦22歳)
美紀と初詣に行った。
家族じゃない人と迎える正月は初めてだ。

3月3日(昭彦22歳)
隆志が卒業した。
あいつは俺より1年早く社会に出ていくのだ。
なんだか置いていかれたようだ。

5月31日(昭彦22歳)
就職する会社を決めた。
資料請求をして、結局M社にする事にした。
さすがに大学受験の時と違って、いくつか他の会社も受けるが
第一志望はM社だ。

6月23日(昭彦22歳)
M社の面接を受けてきた。
先週の試験に合格したので今日面接があったのだ。
面接もほぼ問題なかったと思うが。

7月4日(昭彦22歳)
M社の人事担当の人から電話があって内定をもらった。
就職が決まったのだ。
早速、美紀に電話で知らせると「おめでとう」と言ってくれた。
父さんと母さんも喜んでくれた。
あとで父さんが「就職祝いだ」と言って3万円くれた。

8月17日(昭彦22歳)
美紀はまだ就職が決まらないらしい。
やはり女性は大変なのだろうか。

3月2日(昭彦23歳)
ついに大学卒業だ。
昨日、式を終えたあと、みんなで朝まで飲んでたので
フラフラで帰ってきた。
でも来月からは仕事だ。
いよいよ社会人かと思うと緊張する。
入社までの時間、たっぷり遊んでおこう。

四冊目前へ    次へ六冊目



戻る戻る
表紙へ表紙へ