ひつじが一匹
あるところに一匹のひつじがいました。
そのひつじは牧場に住んでいたので、
ほかにも仲間のひつじや牛や馬がたくさんいました。
いつもはその仲間たちと走り回るのですが、
最近は元気がありません。
フラフラして走る事ができないのです。
なぜ元気が出ないのか、ひつじはわかっていました。
夜、眠れないからです。
いつも夜遅くまで眠れないままで、
やっと眠ったと思ったら朝が来て起こされてしまうのです。
眠れない事がこんなに辛いと思いませんでした。
昼の間もボーッとしてなんだか疲れています。
抜け毛もひどくなってきました。
このままではいい毛を取る事もできないでしょう。
今夜もまた、ひつじは寝つけないでいました。
また今日も眠れないかと思うと悲しくなってきます。
「人間は眠れない時にひつじを数えるらしいけど、
ひつじが眠れない時もやっぱりひつじを数えるのかな」
そんな事をつぶやきながら、眠れない夜を過ごしていました。
「ひつじが一匹、ひつじが二匹…」
人間の真似をしてひつじを数えてみましたが、やっぱり眠れません。
「やっぱりひつじがひつじを数えても眠れないのかな。
人間がひつじを数えて眠るって事は
自分より小さい動物を数えればいいのかな。
じゃあ僕は鳥を数えてみよう」
ひつじはそう考えて鳥を数えてみました。
「鳥が一匹、鳥が二匹…」
やっぱり眠れません。今日もこのまま眠れないのでしょうか。
「ひつじが鳥を数えてもやっぱり眠れないや。
でももしひつじが鳥を数えて眠れたとしたら、
眠れない鳥は何を数えて眠るのかな。
やっぱり鳥の場合は魚とかを数えるのかな。
でももし鳥が魚を数えて眠れたとしたら、
眠れない魚は何を数えて眠るのかな。
やっぱり魚の場合は虫とかを数えるのかな。
でももし魚が虫を数えて眠れたとしたら、
眠れない虫は何を数えて眠るのかな」
そんな事を考えていたら、ひつじは眠たくなって寝てしまいました。
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