就活後ろ倒しの実態 その2

その1からのつづき。

さて、採用時期を遅らせるはずの会社はどうするかというと
「目立たない方法で早めに採用活動する」のだ。
「ルールを守っていない!」と叩かれないように動く。
早くから採用活動する同業他社に勝つにはこれしかない。

ルール上、会社説明会は3月以降、
試験や面接などの審査は8月からしかできないのだが、
仕事を体験する「インターンシップ」なら問題がない。
本来の意味では職種や業界の理解のために
短期間だけ課題や疑似業務を体験する企画だが、
これを使って学生を集め、審査も含めてやってしまうのだ。

業界を理解するためのセミナーという名目で
会社情報を存分に含めた説明を語り、
課題と称して試験をやってしまえば良い。
その過程でディスカッションしたりプレゼンしたりする課題を用意すれば
正式な面接審査をせずとも採用基準に照らし合わせることができる。
そうやって採用したい学生を探し、
具体的な合否を出してしまうのだ。

ちなみに採用内定は10月まで出せないルールのはずだが、
そんなときは「内定を出す予約」として内々定を出す。
10月になった段階で正式な内定を発行すれば
すべてルールの範囲に収まってしまう。
「面接していないのに内定が出るのはおかしい」などと言われそうなら
8月になった段階で内々定の学生に、形式程度の面接をすればよい。

これなら
「インターンシップ(~7月)→ 面接(8月~)→ 内定(10月~)」
のルールを守りながら従来と同じ採用過程を経ることができる。

実際問題、私が受け持っている学生も
後ろ倒しになる前とまったく変わらない時期に内定を手に入れていた。
小さな会社ばかりではなく、かなりの大手も含めてだ。
それぞれの立場のメリットを考えれば当然そういう結果になる。
バカ正直にルールを守っている会社だけが損をするし、
後ろ倒しになったはずだからと油断している学生は置いてけぼりを食う。

法律並の厳格な規則ですべての会社を従わせない限り、
「早く動いた方が得」という状況は変わらない。
次の世代の就活生もくれぐれも油断しないで欲しい。


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