プチメタ3.0

刺激を受けた物事に対する感想や考察、資産運用や英語学習、自己成長に関することなど。


エヴァンゲリオンに出会ったおかげで作品を公開する気持ちよさを知った

新世紀エヴァンゲリオン


話題になっているテレビアニメの噂を耳にする

新世紀エヴァンゲリオン」といえば
今でも話題に挙がる「エヴァンゲリオン」シリーズの
初代テレビアニメ版として1995年に放送されていた作品だ。


当時、高校3年生だった私にもその評判は聞こえてきたが、
致命的なことに実家ではテレビ大阪が映らず、
テレビ東京系列の話題作は軒並み見ることができなかった。


まだインターネットも普及しておらず、DVDもない時代なので
どれだけ観たくてもどうしようもなく、諦めるしかなかった。

エヴァンゲリオンとの出会い

ゲームプログラミングを勉強するために専門学校に進学した私は
同じような趣味を持つ友人たちと出会ったが、
「エヴァンゲリオン」を観ていない私の不幸を知った1人が
なんとテレビ放送を全話録画したビデオテープを
貸してくれることになった。


私は歓喜し、ぶっ通しで観た。衝撃だった。


後ろ向きな主人公、無口で無愛想なヒロイン、
有線で電源が供給されるロボット、
魅力的なアクションシーン、斬新な演出、
重要な登場人物の死、謎に包まれた世界観。


何度も見返し、各場面を目に焼き付けていった。
大量に販売されていた考察本も読み漁った。


テレビ放送終了後も劇場版が公開されるなど
その人気はまだまだ衰えそうにない雰囲気だった。

WindowsAPIの学習から着想を得る

すっかりエヴァにハマった私だったが、
同時にプログラミングの勉強にものめり込み、
その中で「WindowsAPI」というものを学んだ。


WindowsAPIとはパソコンの情報を取得・設定できる命令のことで、
たとえばマウスカーソルの座標を調べたり
ウィンドウの位置の変更したりできる。


とある友人からWindowsAPIの一覧資料を共有してもらったので
自分の知らない命令の多彩さに驚きながら眺めていたのだが、
その中に「GetSystemPowerStatus」という命令を見つけた。


GetSystemPowerStatus:
 システムの電源状態を取得します。
 システムがAC電源とDC電源のどちらで動作しているか、
 バッテリーが現在充電されているかどうか、
 バッテリーの寿命がどれくらい残っているか、
 バッテリー 節約機能がオンかオフかを示します。


私の通っていた専門学校では
学生それぞれが自分のノートパソコンを使うスタイルだったため、
特にバッテリーの残量や充電には日常的に関わる。
そういったハードウェア的な情報も
命令を使って取得できることに刺激を受けた。


そのときに思い出したのが
「エヴァンゲリオン」の中の一場面だ。


それまでのロボットものと異なり、
エヴァンゲリオンは電源コードをぶら下げながら戦い、
それが切断されると内部バッテリーに切り替わる。




エネルギー切れまでの残り時間を表すメーターは印象的で、
オープニング映像の中にも登場する。


ノートパソコンも同様にバッテリーを内蔵しており、
しかも先ほどのWindowsAPIによって
充電中かどうかとバッテリー残量が調べられる。


それならこのエヴァンゲリオンのメーターを
そのまま再現したソフトが作れるんじゃないだろうか。
それが「エヴァメーター」をひらめいた瞬間だった。

メーターの見た目を再現する

まずは見た目を真似るため、
「エヴァンゲリオン」を全話見返しながら
メーター登場シーンをひとつひとつチェックし、
それをもとにデジタル数字や点灯部分の画像を描き、
大きさやレイアウトを似せながら作った。




当時の私が学習していた中で
Windows上で動作するソフトが作れるプログラミング言語は
Visual Basicだけだったので、色や仕様に制限があったが
可能な範囲でなるべく再現していった。


ノートパソコンが充電中かどうかに合わせて
右端の「内部」「外部」という表示が切り替わる様子は
まさにエヴァンゲリオンそのままで嬉しかった。

残り駆動時間の計算方法に悩む

もうひとつ考えないといけないのは
バッテリーの残り時間の計算だ。


WindowsAPIを使って取得できるバッテリー残量は
0~100%の単純な数値であり、
パソコンが駆動できる時間を表しているわけではない。
しかしここはぜひエヴァンゲリオンらしく再現したい。


そこで一定時間おきにバッテリー残量を調べて
減少したバッテリー量と経過時間から
残量がゼロになるまでの予測時間を計算することにした。


しかしパソコンは処理負荷によって
急激にバッテリーが減ることがあるため、
直近の変化だけを調べると誤差が大きくなる。


そのあたりの調整がなかなかに難しく、
授業中に何度も電源コードを抜き差ししながら
納得のいく結果が出るまで計算方法を見直した。


また、エヴァンゲリオンは5分間しか動けないが
パソコンは数時間は動作するので
作中の「分・秒・ミリ秒」というケタを1つずつ上げて
「時・分・秒」で表記することにした。

アニメの再現だけでなく実用性も重視

毎日テストプレイを繰り返している中で
バッテリーの残り予測時間だけだと割と不便で、
単純な残量も確認したいことがわかった。




そこでメーターの下部を拡張して
バッテリー残量が一目でわかるようにした。
アニメ上の表現とは食い違ってしまうが、
バッテリーメーターとしてはこちらの方が便利だ。


この段階でやれることはすべてやり尽くしたので
「エヴァメーター」と名付けて完成とした。
私が20歳だった1997年、Windows95の時代である。


それまでも授業で習った内容を使って
こまごまとした実験プログラムを大量に作っていたが、
Windows上で動作するソフトを
きちんと完成させたのはこれが初めてだった。
(ちなみに「実用マウスカーソル」も当時描いたものだ)

担任の先生が広めてくれる

エヴァメーターは自分でも割と気に入っていたが、
使っている様子を見かけた当時の担任の先生が
同様にエヴァンゲリオン好きで非常に評価してくれた。


単に社交辞令で褒めてくれたわけではなく、
学習成果の一例として別のクラスでも紹介してくれたようで、
専門学校では交友範囲が狭かったにもかかわらず、
全然知らない学生が私の作ったソフトを
使ってくれているという不思議な快感を味わった。

人生初のインターネット公開

さらに数日後、その先生から
「インターネットで公開してみないか」と持ちかけられた。


当時はネット環境がある家庭もまだまだ少なく、
放課後に学校の実習室でちょっとWebサイトを見るぐらいだったので、
「インターネットで公開」というものがどんな感じで
どうやったらそれができるのかまったくわからなかった。


でも「たくさんの人が使ってくれるのは嬉しい」という感覚だけはあったため、
先生にデータを渡して公開をお願いした。
(今思い返すと完全に丸投げしたのは申し訳ない限りだ)


それが具体的にどこにどんな風に公開されたのかはわからないのだが、
先生から「誰でもダウンロードできる状態になったよ」
「使っている人から感想が届いたよ」という報告を聞くたびに
自分の作った作品が少しずつ有名になっていく気持ちよさを感じた。


他の人に使ってもらう以上、説明書や
アップデート状況を管理するバージョン番号も
きちんと整備する必要があることを学んだ。

コンテンツを発信していく制作者になる

専門学校卒業から1年ほど経ち、
それまで眺めるだけだったWebサイトを
自分でも作ってみることにした


さらに2年後にはタイピングゲーム「喰人王」を作り、
初めて自力でインターネットに公開。
そこから「フロントライン」、「バーガーメーカー」、
ウゴツール」、「ネイビーミッション」、「まるっとおみ透視」と
立て続けに作品を作って公開していった。


それなりに人気を呼んでも無料公開を続けたのは
専門学校時代に感じた
「たくさんの人が使ってくれるのは嬉しい」という感覚を
少しでも減らしたくなかったからだ。

セルフリメイクを機に見た目を改善する

それなりに負担の大きなゲーム作りが続いたこともあり、
息抜き代わりに小規模なソフトが作れないか考えたときに
ふと専門学校時代に作ったエヴァメーターを思い出した。


初めて人に使ってもらった作品ということで思い入れがあったのと
「29歳になった今の知識と技術なら
もう少しうまく作れるかも」と思い立ち、
企画だけを引き継いでまったくゼロから開発することにした。




初代エヴァメーターでもっとも悔やまれたのが
メーターの向きが再現できなかったことである。
アニメで映るこのナナメ向きの見た目は非常に印象的で
カッコよさに一役買っているのは間違いない。




そこでアニメの画面に重ね合わせながら
それらしく画像を描いていった。
いざ作ってみるとわかったが、
遠近法の関係で奥の方の数字は微妙に小さく、
ケタごとに画像を全部用意するしかなかった。




色の制約もなくなったため、アニメ同様に
オレンジをベースにした色調に変更した。


これだけではまだ不十分で、
通常、Windows上で動作するソフトは
長方形のウィンドウが基本だが、
このエヴァメーターは独特な形状をしている。


タイトルバーを消すぐらいだったら簡単だが、
もっと複雑な形を再現するたるめには
透明部分と不透明部分をピクセル単位で定義する必要があり、
これは割と特殊な処理なので
その方法がなかなかわからず苦労した。

実用性を高める時計モードを新規追加


エヴァメーターはバッテリーの残り駆動時間を表示するものだが、
電源アダプターをつなぎっぱなしのパソコンだと
アニメ同様に「8:88:88」になってしまい、
得られる情報がなくて役に立たない。


そこで新たに「時計モード」を用意することにした。




残り駆動時間の部分に時刻を表示し、
「内部」「外部」で午前か午後かを判別、
同時にバッテリー残量も確認できる。
12時間制で時刻が表現できるよう、一番奥に
細長い「1」も表示されるようになっている。




さらに、エヴァメーターの向こう側に
ウィンドウが隠れて不便なことがあるので
マウスカーソルが近づくと透明になる機能も追加した。

自分自身が一番よく使っているソフト


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リメイク版のエヴァメーターは2006年7月に公開したが、
Windows標準の時計よりも遥かに見やすく、
私自身が普段パソコンを使うときに重宝している。


「今さらエヴァは古いかな」とも思っていたのだが、
リメイク版を作った1年後に「新劇場版:序」が公開されたりして
エヴァンゲリオン人気の息の長さに驚いている。


単なる時計ソフトと言われればそれまでだが、
いざ使ってみると意外と便利なので、ぜひ試してみて欲しい。

生活の中でアイデアが出やすい3つの場所


中国の古い政治家である欧陽脩(おうようしゅう)は
文章を書くときに優れたアイデアが湧く場面として
馬上、枕上、厠上の3つを挙げたらしい。
それらをまとめて三上(さんじょう)と呼ぶそうだ。


馬上(ばじょう)」とは馬に乗っているとき、
枕上(ちんじょう)」は寝床でウトウトしているとき、
厠上(しじょう)はトイレの中という意味だ。


日常的に乗馬する人はなかなかいないと思うので、
現代でいえば車を運転しているときや
電車に乗っているときに例えられるだろうか。


いずれにしても何かメインの作業をしている最中で、
なおかつ頭の中に余裕がある場面だ。


「いいアイデアを出そう」と悩んでいるときには何も思いつかず、
むしろリラックスしているときに
ふとしたアイデアがひらめくというのは
1000年前から変わっていないのだろう。



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謎解きブログ「夜の小学校」のプロモーションビデオを作りました


nightschool.hateblo.jp


誰でも無料で脱出ゲームが楽しめる
謎解きブログを5年ほど前に作った。


公開直後には少しバズッたが、
以降はジワジワとアクセスがある程度で
現時点でのプレイ人数は1万5千人ほど。




他の自作ゲームと違ってプレイ動画というものがなかったが、
ふと思いついて関連画像をスライドショーのように組み立て、
BGMとタイミングが一致するよう仕上げて
プロモーションビデオを作ってみた。


割といいデキに仕上がったように思うので、
この動画で興味を持った人はぜひ遊んでみて欲しい。

年功序列よりも成果主義を望む若者の落とし穴


これから会社員になろうとする学生たちに
年功序列と成果主義のどちらがいいかを尋ねると
多くが「成果主義」に手を挙げる。


おそらく年功序列は古く悪しき慣習で
成果主義の方が公平だと感じるからだろう。
私も同感で、年齢よりも実力で評価すべきだと考える。


しかし、若い人の大半が
成果主義だと自分が低く評価される可能性を
まったく想定していない
ように思う。


損得だけを考えれば成果主義がプラスに働くのは
年齢に対して平均以上の能力があるときだけ
で、
平凡な能力しかない人は年功序列の方が堅実なのに
なぜかその視点が抜け落ちている。


年功序列は「全員を平均レベルだと見なす制度」だが、
成果主義は「平均レベルを超えた人だけが得をする制度」なのだ。
成果主義を望むなら勝ち続ける覚悟が必要だろう。

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