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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

1968年に書かれたSF小説で、第三次世界大戦後の荒廃した地球を舞台に、
違法なアンドロイドを追う賞金稼ぎを主人公にした話。
映画「ブレードランナー」の原作となっている。

実に40年以上も前に書かれた作品であることを考えると
このSFの世界観は驚きの緻密さであり、
作中では1992年の出来事という設定ながら
2012年の現代から見ても「近未来感」を感じる。

「ムードオルガン」や「映話」などをはじめとする未来アイテムが多々登場するが、
それらが生活に密着した使い方をされ、人々が依存している様子が良い。
話の中心となるアンドロイドに関しても人間に似せた精巧な仕上がりながら、
微妙な差異が表現されている。

途中、ハラハラとさせられながらも
ストーリー自体の結末は非常にあっさりしたものなので
クライマックスに期待するタイプの作品ではないが、
数十年も前に書かれながらも
現在を飛び越えた未来感を味わえる小説としては良い。

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