普段は人で溢れているニューヨークを舞台に
たった1人で生活を送る主人公を描く。
かなり知名度が高く、予告編でも期待を持たせてくれたが
実際に観ると、これがかなりのハズレ。
最初はなぜこういう状況になっているかが明かされず、
少しずつ回想シーンによって
それまでの流れがわかるのはいいのだが、
結局のところ、観てる側が予想している通りの流れでしかなく
わざわざ時系列を変えてまで見せる内容ではない。
また、まともな人間と飼い犬以外の生き物は
すべてCGで描かれているようだが、
これがかなりCG臭く見えてしまって残念。
ただでさえ「世界でただ一人」という嘘臭い設定なのに
映像加工を意識してしまってなおさら冷める。
一番の問題がストーリーで、大風呂敷を広げただけに
どういった結末なのか期待していたが、
そんなのでいいのか、というスッキリしないラスト。
結局主人公は何をしたかったのか、
その行動のいろいろに違和感がある。
そもそも世界の大半が絶滅、という設定の時点で
電気・水道・食料・燃料などをどうしているかが真っ先に気になるところだが
全体を通してあまり切迫した印象がなく、
どちらかといえばかなり贅沢に浪費して見える。
そのへんがとにかく配慮に欠けているというか、
最新の映画にも関わらず雑な造りに思えるところだ。
100分程度の短い映画なのに、妙にダラダラした印象があり
孤独感はヒシヒシと感じるものの、
観ている方は途中あたりでかなりダルくなってくる。
タイトルである「アイ・アム・レジェンド」の理由は最後でわかるが、
ラストがイマイチすぎて失笑したくなる。完全にタイトル負けだった。