スペインで起こったアメリカ大統領狙撃事件について
複数の視点での体験を描く話。
冒頭から前置きなく、緊迫感全開の状態で始まり、
その勢いを失わないままラストまで突っ走る展開が素晴らしい。
90分ほどながら、観た後にぐったりと疲れるほど密度が濃いが、
破綻のない構成は見事としか言いようがない。
同時刻の現場に関して、視点を変えながら何度も描くが
そのたびに少しずつ新しい事実が明らかになっていくのが面白い。
別の視点で観ていたときに持った印象がガラリと変わるので、
真相がわかる快感を何度も味わうことができる。
主人公についての説明がほとんどないので
活躍する割にそれほど思い入れできない部分はあるが、
サウンドノベルの「428」や「街」と同じく、
伏線が綺麗につながっていく気持ち良さをたっぷりと味わえる良作。