男たちの大和 / YAMATO

男たちの大和／ＹＡＭＡＴＯ

太平洋戦争で沈没した戦艦大和に関して、
当時の乗組員たちの生き様を描いたもの。

巨大で最強と言われたヤマトながら、
経験の浅い新兵たちが投入されていた混乱ぶりはよくわかる。

しかし、肝心の戦闘シーンでは持ち場のアップばかりで、
どこから敵がやってきてどうなっているのか、というのはまったく伝わらず、
消耗していく兵士ばかりが映っているのは単調でもあった。
一兵士にとっては戦闘の全貌はわからず、
ただ目の前の弾薬を補給するのが精一杯、ということなのかもしれないが、
大和のスゴさを感じる瞬間がないのは残念だった。

海兵たちと家族とのやり取りは戦争ものでは非常によくある内容で、
今さらグッと来るほどではないし、もったいつけた士官の言動が鼻に付くことも多い。
むざむざと兵士たちが倒れていく様を眺めているだけの終盤は逆に退屈だった。

大和の雄姿を味わいたい人にとっても
戦争映画としての深みを味わいたい人にとってもどうにも中途半端な作品。