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アップサイドダウン 重力の恋人

天井面と床面にそれぞれ人が住み分ける世界で
異なる世界の男女が恋に落ちる話。

当初、上に行くほど天井側の重力の影響を強く受ける世界かと思ったが
実際には「それぞれが所属する世界の重力を常に受けている」という設定で、
それがきちんと理解できるまでわかりにくい部分はあった。

ただ、その上でも随所に矛盾があるように思えるので
そのへんがスッキリしないまま話が進むのは残念だった。
ビジュアル的には非常に新鮮で面白く、見応えもある。

ストーリー上、上の世界は富裕層、下の世界は貧困層となっているが、
その割に差別的な言動がほとんど目につかず、
同じ部屋の中で服装の違いもなく働いていたりダンスしていたり、
上下で気軽に会話している様子があるので、
そのあたりからは隔離や差別している雰囲気が感じられない。

しかし、異なる世界側に移動する行為に関しては
執拗に銃で攻撃してくるほど厳しく取り締まられるので
イマイチ両世界の価値基準が伝わってこなかった。

恋愛映画として観た場合、冒頭などはよくできていたものの、
中盤以降は一気に駆け足で進んでしまい、
想いが揺れ動くような深さはなかった。

ビジュアル面でのインパクトは非常に強いものの、
SF作品としても恋愛作品としても中途半端に収まってしまったのが残念。

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