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統合失調症がやってきた

「ボキャブラ天国」などで人気の出たコンビ・松本ハウスのハウス加賀谷が
統合失調症を発症し、そこからの闘病生活を書いたもの。

極度の不安や幻聴などを感じる統合失調症について
医者や学者ではなく患者本人の目線で書かれている内容が非常に興味深い。
同じような精神病を抱えた人には強く共感できる内容だろうし、
未経験な人にも本人がどういう思いで過ごしているのかがよくわかる。
特に序盤の90ページは一気に引き込まれる内容で、
精神科医の林先生に寄せられる相談を連想させた。

追い詰められた状況から学校に登校できなくなる流れ、
同じような境遇の人たちとのグループホームでの生活、
投薬しながらの社会生活から閉鎖病棟まで
普段あまり知ることができない内容まで事細かに描写されている。

相方の松本キックの目線で書かれたページ(異なるフォントで印刷されている)は
残念ながら面白味が薄くて退屈だった。
ずっと加賀谷を信じて支えてきたコンビ愛は素晴らしいが、
本としては加賀谷側の目線に統一した方が完成度が高まったように思う。

一気に読める引きの強さとテンポがあり、加賀谷の半生を追いながら
統合失調症はもちろん、鬱病や不登校に関して理解を深められる良本。

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