作者の分身である主人公が高校生活から
漫画家になるまであたりの自伝的な話。

漫画家を目指すストーリーとして代表的な
藤子不二雄の「まんが道」よりもリアル、と言われるのも納得で
主人公はやたらとネガティブで弱気で自信がなく、
よくあるサクセスストーリーのようにスムーズに成功するわけでもなく
周囲の人間も模範的な存在がほとんどいない状態。

何かをやり遂げたり努力するだけの根性はないが
将来に対する不安や自分なりの願望がぼんやりとはあり、
「やらなきゃやらなきゃ」と思いつつ、逃げてしまうという主人公は
実際にもよくいそうなダメ人間なのだ。そこが絶望的にリアル。

読んでいると主人公があまりにも不甲斐なくてイライラすることもあるが、
よくある王道の展開と違いすぎてどんな結果になるのか気になって読んでしまう。
性格上、主人公のモノローグがやたらと多いが
そのひとつひとつが主人公なりに一応、
試行錯誤していることが読み取れて面白い。

人間のダメな部分、弱い部分を集約させたような内容なので
反面教師として学んでもいいだろうし、
応援する気持ちで読んでも楽しめる。
人を選ぶだろうが、読み始めると熱中してしまう不思議な魅力がある作品。

【同シリーズのレビュー】
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