1957年のアメリカ映画「十二人の怒れる男」を
ロシアを舞台に現代に置き換えてリメイクしたもので、
殺人罪に問われた少年について12人の陪審員が相談していく。
あっさりと意見が一致するかと思われた評決が、
いろいろな視点からの意見によって揺らいでいくところが見どころ。
今まで悪に見えていたものが、着眼点や新たな情報によって
どんどん印象を変えていくところが面白い。
自分の判断基準がどれほどあやふやなのかを実感させてくれる。
ただ、2時間40分と非常に長く、テンポが悪く感じるところも多い。
密室劇のため映像的な変化がなく、各陪審員の話を正しく把握して
場面を想像していかないとついていけなくなるが、
時間が長すぎて集中力を維持するのに苦労した。
その点はオリジナル版の方が圧倒的に上だろう。
余計な要素を入れすぎた感があり、やや蛇足気味なシナリオ。
面白い筋書きなのは確かだが、どっしり腰を据える覚悟をして観るべき作品。
【関連作品のレビュー】
十二人の怒れる男(オリジナル映画)
12人の優しい日本人(パロディ映画)