ラヴソング＜全10話＞

ラヴソング

吃音症のために人と話すことにコンプレックスのある少女と、
彼女を支える臨床心理士が音楽の道を見い出していく話。

福山雅治が主演する月９の恋愛ドラマということで話題になったが、
男女が付いたり離れたりといった
一般的な恋愛ものとして考えると期待ハズレだろう。
本作は人付き合いが極端に下手で他人にトケトゲしかった主人公が、
不器用な恋心のおかげで少しずつ成長していく物語なのだ。

吃音症（頻繁にどもってうまく話せない症状）の演技は素晴らしく、
これまでに見た実際の吃音症の人に酷似している。
話したくても言葉が出てこず、どんどん悪循環になる様子がよく表れている。

40代後半の福山雅治と20歳のヒロインとの恋愛ドラマと聞くと
歳の差が大きすぎるカップルがベタベタするのを想像するかもしれないが、
本作の恋愛要素は、先輩に憧れる内気な女子中学生ぐらい淡いものだ。

尊敬できる人に憧れを抱いて健気にがんばろうとする姿や
必死で気に入ってもらおうとする言動は非常に微笑ましい。
未熟で逃げ腰だった主人公が少しずつ成長するのを応援できる作品。