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サンクチュアリ<全12巻>

政治界と極道界という、表と裏の世界から
日本という国をいい方向へ変えたいという2人の男の話。

最初は単なるヤクザマンガかと思いきや、
この作品の主人公が2人であることに気付いたあたりから
ヤクザの世界だけに収まらない話を描いたものとわかる。

1990年あたりに公開された作品で、古いマンガのはずだが
政治や日本人の考え方の問題点という点において
現在でも説得力のある指摘が多数含まれている。

現状に満足してしまい、より上を目指さなくなった人間に
大きな波紋と具体的な行動を示した内容で、
特に中盤以降はいったいどういう展開になるのか目が離せなくなる。

登場人物はかなり多く、それがどの組織に属するどんな人物なのかを
把握するのは結構大変だが、人物の描き分けはできているので
自分の頭の中で整理しながらしっかりつかんで欲しい。
政治にまつわる内容もかなり多いが、すべての仕組みを理解していなくとも
作品で表現される危機感や攻防のやり取りで推測できる。

とにかく自分の熱い想いを実現しようとする男たちが素晴らしい。
女性に関しては性の対象としてしか表現されていないのが残念だが、
男に関してはヘコたれず、妥協せず、あきらめず、
あの手この手でとことんまで自分の思う結果に導こうとする姿に圧倒される。
久しぶりに自信を持って「名作」だと感じたマンガ。強くオススメ。

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