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20世紀少年 第2章 最後の希望

マンガ「20世紀少年」の実写映画版3部作の2つ目。
原作全巻と映画第1章はチェック済み。

当然ながら前作を見ている前提で作られており、
映画の1作目か、少なくとも原作を読んでいないとまったくわからない。
内容としてはカンナが高校生になったところからともだち復活まで。

新しく登場したキャラクターに関しても
キャスティングが素晴らしいのは相変わらずだが、
メインキャラとなる遠藤カンナの演技と迫力がイマイチすぎるのが残念な点。
マフィア同士の抗争を沈めたり、圧倒的な迫力で
人類の希望を具現化する対象のはずが、
とてもそうは見えないのが劇中ずっと気になった。

逆に小泉響子役は素晴らしく、原作でも多発していたマンガっぽい表情を
まさに実写で自然に表現する見事なハマり役。
目を剥いた顔が特に素晴らしく、この顔をマンガに描いたのではないかと思うほど。

ショーグンやユキジは原作ほど老けた印象がなく、
カンナが大人になった分だけ年齢を重ねているように見えない。
タイマフィアと中国マフィアのボスは両方とも迫力不足で、
チンピラ混ざってしまうと誰がボスだったかわからなくなる。

さて、そういった見た目の部分以外にも不満は多く、
大きな前フリとキャスティングの妙、
ケンヂの少年時代の描写などが楽しかった1作目と比べると
今作はあくまで最終章へのつなぎとして
必要事項を次々と見せているだけの内容になってしまった。

ただでさえ内容の濃い原作を3部作で完結させるためか
各エピソードや描写が相当に短縮されてしまった感じだ。
蝶野刑事とカンナ達は急速に親しくなったような雰囲気がするし、
マフィア達がカンナの元にあんなにも集まってくれる説得力がなさすぎる。
神父もなぜあんなにイカつい顔なのかが
原作未読の人には理解できないだろう。

ともだちランドの異常性や洗脳施設としての雰囲気も弱く、
その施設内でヨシツネと小泉が接触して
レジスタンスとして活動に力を入れていく描写がほとんどない。
ローマ法王の暗殺にまつわる部分もすべてカットされている。
ともだち側の規模の大きさやカリスマ性の理由を示す大事な設定なため、
ここがあっさりしているのは非常に残念だ。

ともだちの死が世界レベルで影響し、
世界中が悲しみに暮れるほどである説得力もない。
これは血の大みそかの恐怖とその救世主の描写が少なく、
世界を救った存在の大きさを実感できないまま話が進んでいるからだろう。

原作を読んでいて、各場面の深みを自分なりに補完できる人はいいのだが、
映画版だけを観た人にとって魅力が伝わりにくい不安が拭えない。
マンガ原作の実写化のもっとも悪い見本になっている感じがして心配だ。

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