突如として自殺し始めた不思議な現象をきっかけに
なんとか助かろうと逃げるパニックもの。
これがひどい。
映像的なセンスは素晴らしく、中盤あたりまでの
壮絶な現象が連鎖していく雰囲気は見事。
十分インパクトも強いし、独特の恐怖感も感じる。
しかし結末はほぼほったらかしで、「なぜ」の解決もないし、
「結局なんだったのか」もない。
このタイプのものには必ずしも明確な説明を付ける必要はないが、
それならば途中経過よりも大きなインパクトをラストに持ってきて欲しい。
序盤から中盤にかけて煽るだけ煽るのはそれほどテクニックがいらないが、
終盤に大きな衝撃を用意したり、それまでの伏線を一気に回収するのは
腕のある作り手にしかできない。本作はその期待に応えてくれなかった。