性格や能力、体力、健康面まで
すべてが遺伝子検査によって機械的に区別され、
優劣がつけられている格差社会を舞台にした話。
普通は受精段階でマイナスな要素を取り除き、
優秀な人間になる受精卵が選別されて生まれてくるのだが、
通常出産で生まれ、さまざまな欠点を持つ主人公が
超エリートのみが許される宇宙飛行士に強い憧れを抱く。
SFといえば特撮を使いまくったり派手なアクションを取り入れたりと
やりたい放題ができる世界観のはずだが、
本作は淡々と話が進むサスペンス作品で
クールな世界観の中での主人公の強い熱意が魅力。
怒涛の感動というよりも淡々と来る感動といった感じで、
差別される立場ながらもなんとか乗り越えようと
手を尽くす主人公の切なさが伝わってくる。静かな名作。強くオススメ。