神童

神童

うーん、イマイチ。

青年ワオと少女うたのピアノにまつわる物語。
マンガが原作らしいが、そちらは未読。

重要なカットを省略してしまっているのか、
ワオとうたが親しくなる課程が唐突すぎて
２人が以前から知り合いだったのか、親戚なのか、
恋人なのか、兄弟なのかすら
なかなかわからなかった。

さらに、ワオ役の松山ケンイチがピアノを弾くシーンに
かなりの迫力があり、タイトルにもなっている「神童」が
青年と少女のどちらのことなのか迷う。

実際には少女うたの方なのだが、
音大に受験するときのワオの迫力は圧倒的な割に、
大学に迷い込んでピアノを弾くうたの迫力がそれほどではないため、
神童という言葉のインパクトに負けてしまうのだ。

少女うたがピアノを弾くと、それだけで周囲の人が寄ってくる場面があるが
実際に映画で聴いている限りは
そこまでの迫力や魅力がないので、これも少し違和感がある。

うたの中学校にまつわるエピソードは悪くないが、
その良さはあくまで前半のみで、
後半にはそのスピード感とドキドキ感が失われ、
終盤まであまり惹きつけられないまま終わってしまう。

とにかく後半から一気にスピード感を失い、
あとは惰性で見てしまう感じになる。
実際に中学生であることを考えるとヒロインは
かなり目立つ存在であることは確かだが、
「神童」と言ってしまうには無理がある。