老人が古いバイクで最速記録を目指す映画。
怖い役柄の印象が強いアンソニー・ホプキンスだが、
この映画はこの映画で、彼がぴったりだということを感じる。
体はボロボロのくせに心は少年で
夢をあきらめずに粘る姿勢が素晴らしい。
文章にすると非常に単純なのだが、
2時間以上の時間を飽きさせずに引っ張ってくれる。
登場人物が割と個性的なのに
あっさりと短時間で場面が変わったりするテンポがちょうどよく、
特に中盤以降はダレないまま一気にラストまでいく。
困ったことがあると見知らぬ人に声をかけ、
割と図々しく頼みごとをするのだが、
その雰囲気が憎めない。
新しい人物に出会うたび、観てる側としては
「実は騙そうとしている悪いやつじゃないか」と
穿った目で見てしまうのだが、
そういった疑り深い自分を反省したくなる。
こんな単純なストーリーなのに
名優とデキのいい脚本と実話を元にした説得力が混ざって
かなり完成度の高い映画になった。