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女子高生ちえの社長日記


タイトル通り、女子高生が社長となって
会社の中のことを勉強していくビジネス本。
小説形式で書かれ、一定のストーリーをベースに
主人公がわからない会社の事情や仕組みを解説していく流れ。

非常に面白かった「もしドラ」と同じような雰囲気を感じたが、
そこまで魅力的な内容ではなかった。
製造業における基本的な用語や仕組みはわかりやすく、
自分の仕事に関係がなくとも好奇心をそそられるのだが、
ベースとなる小説に無理がありすぎて、そこばかりが気になってしまった。

突然に社長となる主人公だが、家族経営の自営業などではなく
従業員1000人という規模の会社。
母はリウマチで外出できない、兄は研修医で忙しいという理由で
「おまえがやればいいんじゃないか?」程度の家族会議で決まるという
あまりにも無茶苦茶な設定でいきなり拒否反応。

学校に通いながら社長を兼務し、制服のまま取引先にクレーム処理に行き、
一日が終わると猫と会話する(猫のセリフまで書かれている)。
無防備にも友達を社長室に招き入れたと思ったら
友達は「試しにこの書類にハンコ押していい?」というバカ発言までする。
会社を支える役職者たちが女子高生が社長になるということを素直に受け入れ、
大真面目に対応する流れなどはさすがにリアリティがなさすぎる。

「会社のことが何もわからない主人公と一緒に学ぶ」というコンセプトは理解するが
せめてもう少し感情移入しやすい、違和感のない設定にして欲しかった。
100円均一ショップが「ひゃっきん」と呼ばれていることを
30代の経営コンサルタントが知らないとは思えないし、
学校がある社長のために会議を土曜日にズラすのもデメリットが大きすぎる。

もともと目標が設定されているわけでもないので
ストーリーとして結末らしい結末を迎えず、
まさに「日記」のようにただ日々の出来事が書かれているだけ。
1日ほどですんなり読めることもあって
製造業に関する事柄を学ぶ研修本としては敷居が低いが、
本としての面白味はかなりイマイチ。


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら


タイトルにある通り、高校野球のマネージャーが
経営学に関する書籍で有名なピーター・ドラッカー氏の「マネジメント」を読み、
それを実践する形で野球部を手直ししたらどうなるか、という小説。

最初のきっかけは野球部の女子マネージャーが
いいマネージャーになるために書籍を探し、
経営者や管理者という意味での「マネージャー」と勘違いして
経営学の本を手にしたところから始まる。

本来は企業や、またはそこで働く人にとってこその書籍だが、
それを野球部の現状に当てはめる形で読み解くのが面白い。
本としては非常に読みやすく、手軽に手を出せる文体で、
主人公が経営学に疎い女子高生ということもあって
専門的な知識や用語が何もわからない人にも十分に理解できる。

むしろ、本来ならどうしても抽象的になってしまう表現、
たとえば「顧客」や「マネジメント」に絡めた書籍の表現が
野球部の場合にはどうなるかという具体例に当てはめて展開していくので
現実的なイメージをつかみやすくてよい。

女子高生である主人公が妙に勘がよかったり、
補助してくれる周囲の人物に恵まれていたりするのはご都合主義的だが、
経営学に疎い人が興味を持つ最初の一冊としては最適。
ストーリーとしても中盤以降の盛り上がりは素晴らしく、
やってきたことがどんどんと報われていく様子は読んでいて気持ちがいい。
すべてが綺麗に収まっていく展開に感心し、感動させられた。

主人公となる女子マネージャーの名前が全部ひらがななので
付近の文字と混ざってしまって区別しづらいのは残念。

とにかく敷居が低く、興味が湧かなければただの小説として読破すればいいし、
経営学に興味がある人にはケーススタディの例として参考になる。


これは使える!英単語


NHKの番組「英語でしゃべらナイト」をベースにした、英単語学習の本。

すべて生活に密着した物に統一されており、よく知っているものばかりなのに、
いざ聞かれると英語でなんというのかがわからないものが結構あり、
自分の単語力を確認するにはピッタリ。

普段、カタカナで認識している物も
実際の英単語としては別の表現になることもあり、
利用頻度の高い単語として非常に勉強になる。


iPad vs. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏


Amazonが提供する電子書籍リーダー「キンドル」と
アップルの提供するタッチパネル端末「iPad」をベースに、
電子書籍に関する様々な現状を解説した本。

内容の大半は「今後どうなるか」ではなく、
「現時点での電子書籍はどうか」という部分で占められるが
各商品の戦略がわかりやすく語られ、非常に楽しめる中身だった。

特にキンドルはその商品についてある程度は知っていたが、
それ以上にAmazonが仕込んだ戦略や方法を理解することができ、
かなりの刺激を感じた。

各企業が絡み、電子書籍を読むためのリーダーとしてのハード部分と、
そこに入れるための書籍データとしてのソフト部分とが
それぞれ深く戦略に絡んで作られており、頻繁に「なるほど」と思わせられる。
電子書籍を含め、新しいもの好きな人にオススメ。


いまさらきけない物理の疑問


いまさらきけない化学の疑問」と同じシリーズで
個人個人の質問を自由に書き込んで
誰かからの回答を待つサイト「OKWave」にて投稿された
質問と回答を集めた本。

個人的には化学よりも物理の方が興味が強いので
内容としてはこちらの方が楽しめた。
特に力学の分野に関しては回答が明確で納得しやすい。
雑学として読む分にも面白かった。

【同シリーズのレビュー】
いまさらきけない化学の疑問


いまさらきけない化学の疑問


個人個人の質問を自由に書き込んで
誰かからの回答を待つサイト「OKWave」にて投稿された
化学に関する質問と回答を集めた本。

「いまさらきけない」とは書いているが、
今さら聞けないと言うほど基本的な内容でもなく
日常生活で感じる疑問とはいえ、結構な難しさを伴うものもある。
回答を理解するために予備知識が必要なものもあるので
ある程度、化学に興味があったり自信がある人の方が向いている。

回答する側も質問ごとにいろいろな人物が対応するので
明瞭で刺激のある回答もあれば
単に小難しい学問に流れてしまう興味を惹くにくいものもある。

【同シリーズのレビュー】
いまさらきけない物理の疑問


お金が貯まる人の家計簿


タイトル通り、お金を貯めていくための手法についての本。

自分の使っているお金の用途や金額に関して
非常に大雑把に捉えるのではなく、
まずは負担の少ない手軽な方法で家計簿を付け、
何にどれぐらい使っているかという、お金の流れに目を向けようという流れ。

すでに家計簿を付けるクセがある人、
一定の貯金を毎月行っている人にはあまり役立たず、
そういった「正しい金銭感覚」が足りない人向け。

全体通して、ほぼ同じことを訴えているだけなので
半分まで読んだときと一冊読み終えたときに得られるものが
ほとんど変わらないのが残念。


コンバット・バイブル


「アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル」とサブタイトルがついているように
アメリカの軍隊用の説明を
マンガのようなイラストで細かく描いた内容。

敬礼の仕方や装備の内容、銃器の分解の仕方、
射撃姿勢や各作戦での動きなど
素人にはまったく関係ないようなことではあるが、
素人にもわかりやすい説明文とイラストで面白い。

とにかく丁寧に作られているし、
実戦での経験を活かしたアドバイスなども入っていて新鮮。
ミリタリー系に興味があれば十分に楽しめるだろう。


ホームレス中学生


お笑いコンビ麒麟の田村による中学時代の自伝。
「人志松本のすべらない話」で語られた家がなくなった話からスタートし、
辛かった生活からその後の流れまで。

文章としては稚拙だが、シンプルで読みやすく、
まさに中学生が独白しているような雰囲気でなかなか良い。

最初こそ「すべらない話」で聞いていた内容が
やや長めに書かれているだけかと思ったが、
誰もが味わったことのある中学生という時期が感情移入を助け、
辛すぎる生活が早く改善されないか気になって読み進めてしまう。

そして家族をはじめ、田村の周りで支えてくれる人々が
あまりにもいい人ぞろいで気持ちいい。
田村は今、芸人としてやっているわけで
なんらかの流れでなんとか無事に生活できたはずとわかっているが、
それでも読んでいるうちはどうやって切り抜けるのかと心配するばかり。
そこを手助けしてくれる周囲の人々。それに感謝する田村。

つたない文章だが後味が良く、
読みやすい上に読み応えもある。意外にも良作だった。


反社会学講座


日々、ニュースやワイドショーに取り上げられている理論に
真っ向から反対するジョーク交じりの本。

「凶悪事件が増えている」「パラサイトシングルが増えて情けない」など
テレビでよく出される社会問題だが、そういったものの根拠が怪しかったり
データが不明瞭だったりするところに鋭くツッこみ、
逆に、そんなことは言えないという理論をデータを基に訴える。

これまでそれが真実なんだろうと鵜呑みにしていたことも
よく考えたらデータの見せ方や数字のマジックだったりして
視野を広げるべき警鐘としてはなかなか面白い。

反論するためにややひねくれた見方をしているような部分もあるが、
本全体がブラックジョークだったり皮肉の集まりなので大きな問題ではない。
今の社会が以前と比べて悪くなったと嘆く前に一読をおすすめする。