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行列のできる法律相談所


同名のテレビ番組をゲーム化したもの。

生活や仕事上におけるトラブルについて相談という形で紹介され、
「慰謝料が取れる」「取れない」や「手続きを撤回できる」「できない」など
法律という観点から見た2択をプレイヤーが答えるというもの。

それに対して「アタリ」「ハズレ」という明確な正解は提示されず、
「40%の確率で慰謝料が取れる
 (つまり60%の確率で取れない)」という結果が出る。

このあたりは番組と同じ仕組みなのだが、
選んだ選択肢がよかったのかどうかという結論が出ないので
ゲームとしてはスッキリしない部分もある。

会話の流れ上、唐突に挿入されるミニゲームは
難易度はそれほど高くないが、定期的にやらされて面倒にも思える。
ゲームのメインが相談部分かミニゲーム部分かがハッキリしないが、
どちらかを完全にオフにできてもよかった。

出演者の芸能人や弁護士のグラフィックは
写真から起こしたのか、非常にリアルタッチで綺麗に完成している。
ただ、声に関してはゲームのために専用のボイスを録音したわけではないので
「おい!」「どうぞ!」などの短い叫びだけが再生され、
それ以外のセリフは文字に頼るのみなので逆に不自然。

いずれにしてもゲームとしてはまったく歯応えがなく面白味がないので、
あくまで番組のファンか、たくさんの法律相談を振り返りたいという人向け。


ゴースト トリック


全18章クリア。

死者の意識となった主人公を操作するパズルアドベンチャー。
主人公が死んだところから始まるというインパクト大な冒頭で
操作やルールに関してもゲーム内で丁寧に説明してくれる。

主人公はさまざまな品物に意識を移し、
簡単なアクション、言わばポルターガイストを起こすことができる。
といっても、ごく近くの品物にしか乗り移れないため、
いかに物理的な距離を埋め、有効な品物にとりついて
自分の都合のいい展開に持っていけるかがポイント。

さらに死者にとりつくことで死の4分前にさかのぼることができ、
死んだ状況を振り返りつつ、キーとなる展開を変更することで
登場人物たちが死なないような運命へと更新していく。

「逆転裁判」など新しいシリーズを
高い完成度で送り出すことに定評のあるカプコンだが、
本作も初シリーズにて非常に完成度が高く、
新鮮なプレイ感覚を楽しめる作品。

2Dグラフィックのように見えるが、キャラクターや主要なアイテムは
3Dモデルを平面的に描画しているようで、非常に滑らかな動き。
すべてのキャラクターが個性的で魅力的なのもスゴイ。

運命を作り直すというコンセプトのため失敗しても何度でもやり直せるし、
ヒントやミスの理由が適度に提供されるので、
次回への攻略に活かせるのもよい。

短編エピソードが集まっているのではなく、
冒頭の事件を解くために新たな事件に衝突する形で
すべて一本の長いシナリオになっている。
このストーリーの完成度も高く、序盤から散りばめられた伏線が
新たなゲーム性のステージをプレイしつつ、徐々に回収していけるのが楽しい。

とにかくやたらと高い完成度で
これまでに味わったことのないゲーム性になっているのは素晴らしい。
誰にでも楽しめる名作。強くオススメ。


Rooms(ルームズ) 不思議な動く部屋


スライドパズル(15パズル)をベースにしたパズルゲーム。

一般のスライドパズルは空白に隣接したピースを自由に動かせるが
本作はピース上に主人公が存在し、
主人公が立っているピースしか移動できないのが特徴。

さらにピースのひとつひとつが部屋になっており、
そこにあるハシゴやドアの状況によって
主人公が隣のピースに移動できるかどうかが変わる。
最終的にピースのひとつに設定された出口まで主人公が到達すればクリアとなる。

主人公の誘導とスライドパズルが組み合わされたルールは新鮮で、
1ステージあたりにかかる時間も短く、サクサクとプレイできるのは素晴らしい。
最初はどうたどり着くかわからなかったステージが
ピースを移動しているうちにルートが見えてくるのも気持ちいい。

新しい上にシンプルなルールでパズルが楽しめるのは良いのだが、
残念なのがピースひとつひとつが小さくて見辛いこと。
DSの下画面に9ピースほども表示されるが、
ピース以外のインターフェイスにも面積を割いているので
肝心のピースが相当に小さくなってしまう。

その中にパズルを解くのに重要なハシゴや消火栓があるかを
目を凝らしてみないといけないのが厳しい。
隣のピースに行けないという意味の壁も境界がわかりにくくて
どちらのピースに属しているかがわかりにくい。

ピースに設定された特定のギミックを発動したときの待ち時間も長めで
特に地下鉄ギミックを利用したときには
数秒間、何もできない時間が発生するのが面倒。

さらに、ストーリーを展開するイベント部分の造りが雑で
セリフ回しもイマイチだし、キャラクターの動きもカクカクすぎる。
セリフ送りのタッチ部分もやけに小さく設定されているため
イベントシーンが挿入されるたびにどうにもウンザリした。

パズル部分がよくできているだけに遊びづらい仕様がとにかく惜しい。
次のエリアに行くためのアドベンチャー部分はばっさり捨てて
純粋にたくさんのステージを選べるようにしてもよかっただろう。
とにかくピースの見難さだけは非常に残念。

【同シリーズのレビュー】
Rooms(ルームズ) 不思議な動く部屋(Wii版)


SCRIBBLENAUTS<北米版>


海外版ソフトだが、日本のDS本体で稼動する。

英単語を入力して自由なアイテムを出現させ、
ステージごとに設定された目的を達成するゲーム。

ステージには一応、主人公が用意されているが
目的を達成するための道具や設備がまったくない。
そこでメモに英単語を入力すると
そのアイテムがステージ内に出現して利用できるという
あまりにも画期的なシステム。

たとえば狼が行く手を遮っている場合、
「GUN(銃)」を出現させて撃ってもいいし、
「LION(ライオン)」を登場させて戦わせてもいいし、
「MEAT(肉)」でおびき寄せてもいい。

2Dゲームだが、入力した英単語に合わせた独自の画像が用意されており、
プレイヤーのアイデア次第で自由に攻略できるのがスゴすぎる。

海の中の魚を捕るのに「FISHING ROD(釣竿)」を使ったがうまく釣れず、
「WET SUIT(ウェットスーツ)」を出して主人公に着せ、
直接捕りに行ったらうまく捕まえられたときには感激した。
出したものが乗り物なのか道具なのか動物なのかがちゃんと区別されており、
その動物や道具間の強弱関係が現実同様に設定されている。

出現したアイテムを操作しようとペンでタッチしたときに
主人公の移動先を指定したと見なされて
主人公がチョコチョコと動いてしまうトラブルが起こりやすいのは面倒だが、
それ以外は非常に完成度が高い斬新な作品。

ステージ開始直後に表示されるヒントが
そこでの目的を予測するための重要なメッセージとなるため
ある程度の英語読解力と、思いついた品物をスペル入力できる英単語力は必要。
またはその都度、翻訳サイトを利用する意気込みが必要。

長すぎるほど丁寧なチュートリアルによって
ゲーム中にやれることは最初にすべてわかる。

ステージ数が非常に多く(おそらく200以上)、
ある程度の数が同時に開放されるため
解けない場合は別のステージをすぐ選ぶことができるのも良い。
アイデア次第では非常にあっさりと解けるし、
なかなかいいアイテムが思いつかず苦労することもある。

どちらにせよ非常に斬新で、画期的なゲーム性なので
英語に物怖じせず、ぜひ体験してみて欲しい。


HUDSON×GReeeeN ライブ!?DeeeeS!?


4人組のアーティスト「GReeeeN」の曲を30曲収録したライブ体感ソフト。

DSソフトとして販売されているが、ゲーム性はほとんどなく
上画面で流れるライブ映像に合わせて
下画面をタッチして観客としての数種類のアクションをするだけ。

拳を振り上げたり手拍子したりすることができるが
どのアクションが正解かは明確でなく、
リズムに合わせて出せば徐々にゲージが上がる。
一応、曲終了時に得点が表示され、モードが開放されるが
ひとつのアクションをリズムに合わせて出し続けるだけでも
70点前後を取ることができる難易度。

実際にはタッチペンだと操作性が悪く、アクションの区別が甘いので
十字ボタンを押す方が楽な上に確実。

ミニゲームとして存在するモードでも、コツがつかみにくかったり
ゲームのセオリーをやや外した造りだったりするため、
ゲームソフトとして期待する意味はほとんどないだろう。

GReeeeNは顔を明かさないアーティストであるため、
ライブ映像としてはすべてシルエットとして表示される。
動きそのものは滑らかだが、曲も短くアレンジされてしまっているので
曲を堪能するというほどの価値を感じられるかは微妙。

あくまでGReeeeNのファン向けソフトであり、
ゲームというよりグッズのひとつとして考えるべきだが
果たしてファンが喜ぶデキかどうかはかなり怪しい。


ドラゴンクエスト9 星空の守り人 - クリア後


33時間のプレイでなんとかクリア。
最終的なパーティは
バトルマスター レベル41、
パラディン レベル38、
魔法使い レベル38、
僧侶 レベル40。

クエストと錬金はほとんどプレイせず、ひたすらストーリーを進めたが、
全員がレベル35前後で到着したラスボスで非常に苦労したため、
パラディンの「博愛」スキルを100まで稼ぎつつ、
多少の経験値上げを挟んでクリア。

クエストや錬金で回り道をした人は
「ボスは楽勝だったし、ヌルかった」という感想を持つようだが、
個人的にはゲーム時間を割きにくい社会人にとっては
このぐらいでちょうどいいと呼べる敵の強さだったし、
それなりに全滅する機会もあった。

全体のプレイ感と、クエストや転職に関する感想はすでに書いたが、
最後までクリアした上で振り返ってみても
ネット上で流れている悪評ほどの問題点は感じず、
まあ、ギャル妖精は未だに好きになれないけど
特にそれ以外はドラクエを買う人が求めているドラクエっぽい雰囲気が
ちゃんと感じられるデキ。

ストーリーにはイマイチ引きがなく、大好きなドラクエ4や5と比べると
ストーリー上の「ぐっとくる」場面がなかった。
普通のイベントとストーリー展開ばかりで
「ここはがんばらなければ!」という意欲を高めてくれるほどの盛り上がりはない。
あくまで今、育てているキャラクターで
次のダンジョンとボスを突破できるかを試す障害のひとつでしかない。

とりあえず転職と装備とキャラ育成の自由度が高いので
ストーリーはあくまで進行具合を表す区切り程度の存在だった。
一番苦痛だったのはバトルマスターへの転職だけど
それさえ乗り越えればとにかくドラクエっぽい普通のドラクエ。

ダンジョンでは常にそのフロアのマップが上画面に表示されているため
ほとんど迷ったり同じ道を通ってしまうことはなくスイスイと奥までたどり着ける。
このあたりは賛否両論ありそうだが、
敵の姿もシンボルで表示されているわけだし、
敵とこまめに戦いながらダンジョンの隅々まで探索するか、
真っ先にゴールを目指すかを選べるという意味ではアリ。

一番面倒だったのは、ひとつの事件を解決して次の町に行くまでの移動。
全体マップは表示されているものの、
「次の行き先は西」という程度のボンヤリした情報しかなく、
西と呼べそうなエリアや通り道がいろいろあって
結局は町やダンジョンを発見するまでしらみつぶしにフィールドを歩いた。

今までのドラクエなら町で話題に挙がる「北の洞窟」みたいなものは
町を出ればすでに見えている程度の距離にあったが、
今作ではとりあえず北のエリアに行けそうな道に進んでみて
マップが切り替わったら、全体マップからダンジョンがありそうなところを推測して
とりあえずそこまで敵を倒しながら行ってみる、ということになる。

そのため、本当にこの方角やエリアで正しいのか、
うっかり別のイベントに関係する町やダンジョンに
来てしまったのではないかという不安を感じることが多かった。

その割に当初から未探索地域も含めての世界地図が表示されるので
あとどれぐらい行っていない世界が広がっているのだろう、という夢が
まったく抱けないのはそれはそれで残念。

Yボタンを押せば今、関わっているイベントのあらすじと
ぼんやりとした次の行き先が表示されるのは便利だった。

発売前に騒がれたセーブデータが1つしかない、というのは事実には違いないし、
もう一度プレイするなら1回目に育て上げたデータは消さないといけないが、
特にそれほど問題は感じない。
まあ、セーブデータが複数持てるに越したことはないだろうが、
ひとつしかセーブできないゲームはRPG以外も含めて珍しくはない。

多少、違和感があったのはキャラクターのレベルに合わせて
経験値の分配される割合が異なること。
これまでなら4人パーティで倒した敵は4等分でキャラクターに配分されたため、
仮に転職によってレベル1になったキャラクターが混ざっていれば
残りの3キャラで強い敵を倒したときに大きなレベルアップができたが、
今作ではそこまでレベルを引き上げる行為はできない。

おそらくマルチプレイをした際に、別のプレイヤーに連れられて
簡単にレベルを向上させる行為を防ぐためだとは思うが、
転職しながらキャラを育成する際にはこの仕様はなんとなく不便だった。

さらに今作の転職では別の職業で覚えた呪文や装備できた品は
転職すると使えなくなるため、引き継がれるのはあくまで
スキルポイントの割り振りによって覚えた「特技」と
「常時○○+20」というステータスアップの項目だけだ。

そのため転職を繰り返して
魔法も回復もできる強い戦士、みたいなキャラクターは作成できず、
パーティの回復役としてはあくまで僧侶(または賢者)を
職業とするキャラクターを入れておく必要がある。
なんでもできるキャラクターが4人いると個性がなくなるのは事実だが、
覚えた魔法が引き継げないのは残念だった。

そういう仕様なので、転職によってキャラクターを強くするには
レベルアップごとに手に入るスキルポイントを稼ぐしかない。
スキルポイントは割り振らずに残しておくこともできるが、
各職業で一旦上がったレベルは保持されるので
たくさんのスキルポイントを稼ぐためには
興味のない職業にも転職し、レベルを15程度まで上げて
スキルポイントを貯めるという行為を繰り返す必要がある。

何度も言うが、その間に覚えた魔法や上がったステータスは無意味なので
あくまで目的はスキルポイント一本になり、
この作業をしているときの楽しさはかなり少ない。
特にレベルアップしてもスキルポイントが手に入らない場合があるので
まったく嬉しくないレベルアップが、より作業感を強くさせてしまう。

意外にも不便なのが、「ザオリク」の魔法は転職条件が面倒な上に
クリア直前にならないと転職できるようにならない賢者が
レベル45というかなり強い状態にならないと使えず、
僧侶は一定の確率で失敗する「ザオラル」しか唱えられない点。
賢者がいないパーティの場合、戦闘中にうっかり誰かが死ぬと
その復活にかなり苦労する可能性が出てくるし、
転職の際に魔法が引き継げない関係で
僧侶自身が死んだ場合に復活させられる手段がほとんどなくなる。

可もなく不可もないドラクエ、と言えばそれまでだが、
前作のドラクエから長期間空いたため、過大な期待を抱いていたファンには
それに耐えうるだけの魅力が感じられなかったかもしれない。

個人的にはDSというハードはドラクエのようなレトロRPGにピッタリだと思う。
美麗なビジュアルシーンを期待する作品ではないし、
長時間ダラダラとプレイするには最適な選択だろう。

パーティが4人になったあたりからは育成計画に悩みつつ、
ついついプレイを続けてしまったことは事実だし、
世間でもすでに何十時間もプレイしているプレイヤーがいることから
やはりそれだけの大作シリーズであることは間違いない。

【参考になった攻略サイト】
ドラクエ9極限攻略データベース

【同シリーズのレビュー】
ドラゴンクエスト9 星空の守り人
ドラゴンクエスト9 星空の守り人


ドラゴンクエスト9 星空の守り人 - システムと不満点


ここではドラクエ9特有のシステムに関わる部分と
その不満点について書く。
作品のプレイ感などに関するレビューは別の記事で。

まず本作の特徴として町の人などから受けられる
ストーリーとは切り離された依頼である「クエスト」。

マルチプレイなどを意識しているのか、
はたまたゲームの寿命を延ばす目的かはわからないが
ストーリーを進めるつもりであってもうっかり話しかけると
「このクエストを受けますか?」という問いが出るほどに頻繁にクエストとぶつかる。
全部で100以上が用意されているらしく、
さらにはネットワークを通じて配信される予定のようだ。

しかし、このクエストは内容が薄く、
達成の際の報酬の貧相さも相まって、プレイする意欲が湧かない。
クエストのたびにダンジョンでボスを倒してくるとか
どこかの廃墟の敵を一掃するとか
町で起こった事件を解決するとかなら楽しそうだが、
実際にはフィールドで手に入るアイテムを拾ってくるとか
何かのアイテムを買って持っていくとか
指定された状態でザコ敵を数匹倒すとかいうもの。

つまりは面倒なお使い作業か、縛りプレイがベースになっている。
お使いはそのアイテムが売ってそうな町にルーラで移動し、
また戻ってくるだけだったりするし、縛りプレイは非常に面倒くさい。
クエストリストをコンプリートする、という自己目標でも立てない限り
あまりにもダルくて単調な作業になるのだ。

作業後、依頼人のところまで戻る必要があるが、
クエスト内容には依頼人のいる町程度しか表示されていない。
いちいち町の中のどこにいたかまで覚えてなかったりするので
また町の中を歩き回るハメになる。
さらにクエストを受注しておける数に制限があり、
ストーリーの進行とともにどんどん受けていって
あとでまとめてクエストに挑戦しようと思ってもできないのだ。

さらに「スキルポイント」について。

スキルポイントはレベルが2、3上がるたびに手に入り、
毎回3ポイント程度を斧や魔法などの項目に割り振れる。
それが一定の数値になるたびに特技やステータスアップの褒美が手に入る。
割り振れる項目の種類も多いし、職業ごとに違っていたりするので
どういう風にキャラクターを育成するかを考えながら
ポイントを割り振る作業はなかなか面白い。

そして「職業」。

これはドラクエ3と同じく、戦士や武闘家、魔法使いなど
使える技と成長する能力の異なった設定だ。
最初に設定した職業は途中にあるダーマの神殿で「転職」して変更することもでき、
レベルは1に戻ってしまうものの
体得していた特技などは次の職業にも引き継がれるため、
時間をかけて成長させれば強いキャラクターに育てることもできる。
レベルは職業ごとに保持されていて、元の職業に転職すれば
以前のレベルから再開されるのは本作の職業システムの特徴だ。

上記の3つは個々に判断すればそれぞれゲームの幅を持たせるシステムだが、
よりによって転職システムにクエストシステムを織り交ぜたのが問題。

職業の中には「賢者」や「魔法戦士」など上級職と呼べるものがあり、
最初から選べる職業の複数の系統を兼ね備えていたりして強い。
当然ながらキャラクターの何人かは上級職へと転職させたくなるが、
その選択肢に上級職を登場させる条件にクエストが設定されているのだ。
つまりはクエストをクリアしないと上級職への転職ができない。
無理やりにでもクエストをプレイさせようということなのか、
あまりにも手間のかかるものが設定されている。

たとえば「バトルマスター」という職業に転職するためのクエスト条件は
「スーパーハイテンション状態になり、ドラゴン斬りでスライムを5匹倒す」こと。

「スーパーハイテンション」になるためには武闘家の「きあい」の項目に
スキルポイントを16ポイント割り振って会得できる「ためる」が必要になり、
(または主人公専用の「おうえん」を仲間に使うか)
「ドラゴン斬り」は戦士などの職業の「剣」の項目に
3ポイント割り振って会得する必要がある。

それまでの旅で該当の項目にポイントを割り振ってなかった場合、
それを会得できるポイントがたまるまでレベルアップさせなければならない。
場合によってはクエスト条件を達成するために転職までしなければならず、
プレイヤーが考える育成の流れを崩させることになる。

さらにはクエスト条件であるスライムを倒そうと思えば、
高いレベルのキャラクターでスライム出現エリアまで行き、
パーティの仲間ががさっさとスライムを倒してしまわないよう、
いちいち作戦を「めいれいさせろ」に変えて防御させ、
レベルの低いスライムが逃げ出すのを防ぐため、
魔法使いキャラにラリホーを使わせて眠らせる必要がある。

その上で特技の「ためる」コマンドを何ターンも繰り返し、
スーパーハイテンション状態にしてから
(主人公専用の「おうえん」を別の仲間に使っても可。
 この場合は仲間が「ドラゴン斬り」を会得している必要がある)
別の特技の「ドラゴン斬り」でスライムを倒すのだ。
これを5匹分、行わなければならない。

このクエストが達成しにくいのは難しいからではなく
無意味に長い手順と余計な手間がかかるからだ。
クリア後のお楽しみ要素などならともかく、
上級職への転職を解放するためにこんなクエストを強いるのは問題だろう。

【参考になった攻略サイト】
ドラクエ9極限攻略データベース

【同シリーズのレビュー】
ドラゴンクエスト9 星空の守り人
ドラゴンクエスト9 星空の守り人


ドラゴンクエスト9 星空の守り人


言わずと知れた大作シリーズの新作、ドラゴンクエスト9。
今回はDSで登場するということで非常に話題になった。
これまでのドラクエは7を除いてクリア済み。

インターネット上でも賛否両論が分かれ過ぎていて
結局いいのか悪いのかすら判断ができない状況だが、
実際にプレイしてみると、いい意味でいつものドラクエだった。

序盤のエピソードがややテンポを崩すが、
主人公キャラを普通に行動させられるようになると
これまでにドラクエをプレイしてたときと同じ気持ちになる。
弱い主人公と貧相な装備で、依頼された場所に行って戦う。
しばらく戦っているとレベルが上がって少しだけ強くなり、
村に戻って体力を回復させたあと、少しだけ強い武器を買う。
この「ドラクエをプレイしている感」はさすがだと思う。
そして、プレイヤーがこれを求めてプレイしているのであれば
ある程度、満足できるだろう。

さらにはストーリーを少し進めた段階で
主人公以外の仲間を3人、パーティに加えられるようになり、
職業や性別や名前を自由に決めることもできる。
パーティ全体のバランスを考えた職業選びや、
限られた資金の中で誰の装備を充実させるか、
今後、それぞれのキャラクターをどういう風に育成するか想像するなど
ストーリー重視のドラクエ4やドラクエ5よりも
パーティの編成と育成の自由度を重視したドラクエ3あたりに似ている。

防具は頭、上半身、下半身、
手、足、盾、アクセサリーとかなり細かく分かれており、
武器も剣やヤリ、ムチなどとさまざまなタイプがあって
それぞれ装備すると見た目にも反映されるのは素晴らしい。
装備を付け替える楽しみがあり、装備が変わった実感も持てる。

DSではあるものの、すべてが3Dで描かれており
それでもドラクエの雰囲気が崩れていないのは素晴らしい。
処理速度向上のためか、主要キャラは3Dモデル、
そうでないキャラクターは平面の画像で表現されているが
通常のカメラの位置ではほとんど区別がつかず、
そのあたりのテクニックも見事である。

戦闘は今までと違い、シンボルエンカウントとなっている。
つまりはフィールド上に敵の姿が表示されていて、
それと接触すると戦闘シーンへと移り変わる。
敵と戦わないように進むのはそれほど難しくないが、
ボス戦でレベル不足になるのは間違いないので、
敵を見つけたらある程度ぶつかって行く方がよい。

戦闘シーンではこれまでのコマンド選択式になるが、
仲間が次々と攻撃する様子が3Dで展開されて楽しい。
今までのように敵と仲間が一列に並んでいる雰囲気ではなく
まさに入り乱れて戦っているドタバタな感じが出ている。

本作で一番の不評に挙がるのは間違いなく「ギャル妖精」だろう。

もともと鳥山明の作品やドラクエには
飛び抜けたキャラクターが登場することもあったが、
このギャル妖精はドラクエファンたちが嫌悪感を示す雰囲気で
どうにも世界観に合わない。
ギャルとして見たときも古臭いキャラクター性だし、
セリフもいかにもギャルでない人が書いたようなしゃべり方だ。

重要キャラクターで主人公とずっと行動を共にするので
ここにはもう少し気を遣うべきだったような気がする。

とりあえずドラクエに興味がある人なら手を出しても問題ないだろう。
上級職への転職についてイマイチな点があるが、これはまた別の記事にて。

【参考になった攻略サイト】
ドラクエ9極限攻略データベース

【同シリーズのレビュー】
ドラゴンクエスト9 星空の守り人
ドラゴンクエスト9 星空の守り人


スローンとマクヘールの謎の物語


全80幕をクリア。
あるエピソードの最後の展開だけが紹介され、
なぜそうなったのかを推理していくゲーム。

ひとつひとつのエピソードは短く、
その解明をするのもそれほど時間を要しないが、
その分、エピソードの数は結構用意されているので
少しずつ暇を見つけてプレイするには最適。

謎がわかってしまえばエピソードの内容と結果は
ごく当然なつながりでしかないのだが、
理由が語られていない段階や、読んだ側が誤解している間は
なかなか真相が見えなかったりする。

それを解決するために文章中の気になる単語をタッチし、
そこからたどれる別の単語と結びつけて質問を作ると
「はい」「いいえ」「関係ない」という答えとともに
少しだけ真相に近づくことができる。

真相に気づき次第、「回答する」を選んで
本当に真相にたどり着いたかを確認する問題に
数問答えるという流れ。

叙述トリックが多いため、最初に読んだエピソードを瞬間に
勘が働いてすぐに真相が読める場合もある。
その割に、自分が聞きたい内容の質問が
どの単語から作り上げるのかがわからず
「したい質問ができない」という不満はちょくちょく感じる。

が、とにかくサクサク遊べるし、エピソードを解くたびに
誰かに話したくなるネタになるので結構楽しい。
ただし、第30幕あたりから
かなり強引にエピソードに仕上げていると感じるネタもあり、
情景が描かれていない以上、わからなくて当然だったりする。
結局は質問を繰り返して情報を引き出さないと回答できないものがあるのは残念。
できれば序盤にあったような、オチの効いたエピソードにして欲しい。

がっつりとゲームで遊びたい、というよりも
ショートショートや「世にも奇妙な物語」みたいなものが好きな人が
少しずついろんな物語を味わうためのゲーム。ゲーム好き以外にも割とオススメ。
タイトルが覚えにくいのが難点か。


立体ピクロス


悪い評判を聞かないし、実際、非常によくできている。

ピクロスというと、縦と横のマス目の塗りつぶす数から
元の絵を推測していくパズルだが、
そのマスを立方体ブロックにしたゲーム。

チュートリアルが非常にしっかりしていて、
操作方法だけでなく、残すブロックを推理するコツまで
かなり丁寧にテンポよく説明してくれる。
そのため、ピクロスそのものが初めての人でもまったく問題ない。

操作性も素晴らしく、タッチペンでドラッグしてモデルを回転させ、
十字ボタンと併用してタッチすることで
ブロックを色付けしたり消したりすることができる。
モデルのズームは自動で行われ、常に見やすい大きさで表示される。

通常のピクロスは白紙の方眼紙を塗りつぶしていくイメージだが、
本作は四角い塊を掘り崩していく感じ。
出来上がるモデルはかなり強引な造りで、
色分けされてもまだ何のモデルかわからなかったりするが、
実際に正解が表示されるまでのわずかな焦らしがうまく、
「これは何かな?」と考える好奇心を刺激する。

モデルそのものの解像度は粗いが、動きは滑らかで
完成したモデルが活き活きと動くのも良い。
モデルはあるテーマごとに「ジオラマ」と呼ばれるグループに貼り付けられ、
そのグループに属するすべてのモデルを完成させる楽しみもある。

ただクリアするだけでなく、
ノーミスや目標時間以下でクリアすることでスターが手に入り、
それが一定数に達すると挑戦できる問題もある。

画面表示や数字表記の仕方が非常に洗練されており、
短時間でサクサクとクリアしながらいつまでも続けてしまう中毒性がある。

内側部分のブロックを処理するためのスライサーを
触るつもりがないのにタッチしてしまうことが多少気になるが、
それ以外は文句ないデキ。
まさに人を選ばず薦めることができるゲームだろう。

ピクロスをただ立体にした、という安易なものではなく
新たな面白さと達成感を作りだしている良作。