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「信長の野望」と聞くとシミュレーションが苦手な人は
一歩引いてしまうところだが、今作は初心者への敷居も低く
なおかつ奥が深いという非常にデキのいい内容になっている。

武将はそれぞれ騎馬、歩兵、鉄砲隊の3種類のどれかのコマになっており、
毎ターンに1歩ずつ、区切られたマスを行き来させていく。
3種のコマはジャンケン同様、3すくみの関係になっているが、
戦力さえ上回っていれば無関係に勝利できる。

このバランスが絶妙で、強いコマは圧倒的な戦力で蹴散らせるし、
弱いコマでも3すくみで勝てる組み合わせに挑戦すれば
少しずつ相手の戦力を削ぐことができる。
さらに同種のコマはひとつの塊として行動できるため、
弱いコマ同士を塊にして戦力を高め、
強い相手に挑むこともできる。

このルールを理解すると急速にコツがわかり始め、
俄然面白くなってくる。
敗北したコマも数ターン後に城から再出撃できるため、
戦況が悪くなってきても復帰できるチャンスが常にある。

城のマスに留まれば徐々に戦力が回復する上、
敗走しかけのコマも入城すれば2ターンで全快するため、
城を基点に戦うことが多くなる。
逆に、敵側の勢力を全滅させるには
相手の持つすべての城を奪回する必要がある。

大きな戦力を撃破するために一箇所にコマを集めていると
手が空いた城を敵に取られてしまったりと
勢力が大きくなったとしても緊迫感が続く。
上記画面に表示されたマップが勢力ごとに色分けされるのだが、
ターンが進むたびに少しずつ色の面積や位置が変化していくのが
実に戦国時代っぽく、やりがいにもつながる。

非常に残念なのが、制限ターン数が割と厳しめに設定されているので
あともう少しで勝利条件に達成するのに
残りターンがなくなって敗北、となるパターンが結構あること。
もっと効率よくコマが動かせば勝てるのだろうが、
シミュレーションが苦手な人なりに
少しずつ足場を固めて戦況を有利に運んでいるときに
時間切れで終わりなのは結構辛い。

特に、今のステージをクリアしないと次のステージが開放されないため
制限ターン内で勝てるようになるには
同じステージをかなりやりこまないといけない。
時間切れさえなければ、下手なりに粘ってなんとかなることが多いので
初心者にももっと熱中しやすくなったのではないか。

ともあれ、「信長の野望」というファミコン時代から使い古された題材を
こうも簡潔な新しいルールで新登場させたのは素晴らしい。
1回のゲームも短時間で楽しめるし、チェスのような深さもある。
唯一、「国盗り頭脳バトル」という
クイズか何かと勘違いされそうなタイトルだけが惜しかった。