オススメ作品:

限界集落(ギリギリ)温泉<全4巻>

2012年5月4日10:49【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


過疎化・高齢化によって寂れた限界集落にある潰れかけの温泉旅館に
仕事から逃げてきた元ゲームクリエイターとB級ネットアイドルが迷い込み、
いろいろな企画を立ち上げて旅館を立て直そうとする話。

つまりは村おこしを題材にしたものであり、
限られた環境、素材でいかに
プロデュース・起業して盛り上げていくかが楽しめる。

さまざまな事柄について説明するマンガを描いてきた鈴木みそだけあって
作中に登場する要素がやたらリアルで、
田舎町の中に現代らしいアイデアや工夫が入っていくのが面白い。
キャラクターも立っていて魅力があって個性的。

人を集めたり人気を高める心理的な駆け引きもあり、
単なる物語としてだけでなく、
今のネット事情や秋葉系ネタを振り返ることができるマンガ。


賭博覇王伝 零<全8巻>

2012年4月16日10:06【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


巨額の賞金を賭けたギャンブルに主人公の少年を含め、
さまざまな者たちが挑戦する話。

カイジ」を描いた作者の作品だが、
「カイジ」よりも圧倒的にテンポがよく、無駄なく進んでいくため
読んでいてストレスを感じないのが素晴らしい。
各ギャンブルはそれぞれ独立しており、
その都度、新しいルールでの勝負が始まるし、
ダラダラと引っ張りすぎずに完結するのも嬉しい。

各ギャンブルのルールがシンプルで理解しやすいのも良い。
数学的な発想が必要な部分が何か所かあるが、
主人公の説明を理解するには中学レベルの知識で十分。
敗北時のリスクの凶悪さは相変わらず飛び抜けていて、ここも魅力のひとつ。

8巻の最後ではあくまで第1部が完結するだけで、
ストーリーとしてはまだ続いているが、
面白さを味わうには十分な仕上がり。オススメ。


ドラゴン桜<全21巻>

2012年4月4日10:46【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


経営破綻状態になった私立高校を立て直すため、
弁護士が落ちこぼれの生徒に東大合格を目指させる話。

倒産寸前までになった高校をいかに改革していくか、
また、偏差値が低く、勉強する意欲も低い生徒を
どうやって東大合格に導くかといった手段が斬新で面白い。
すべてが正しくないかもしれないが、
主人公の桜木を含め、敏腕の教師たちの論理的な説明は説得力があり、
学生はもちろん、彼らと接する親や教育関係者は非常に参考になるだろう。

社会人にとっても、考え方や勉強の仕方、
頭の使い方や普段の意識など、
自分を改革するための参考材料が多数詰まっている。

常に独りよがりで反抗的な井野先生にはイライラさせられるが、
これは桜木の理屈に対する批判や
世間の反応を代弁するための存在と考えるべきだろう。

コマ割が大きく、ページをかなり贅沢に使うため
マンガとしてのコストパフォーマンスは悪いが、
短い間隔で新たなテーマや問題提起を行い、
その解決法が知りたくてどんどん読んでしまう。面白い。

【同シリーズのレビュー】
エンゼルバンク


藤子・F・不二雄[異色短編集]<全4巻>

2012年3月4日10:12【カテゴリ : マンガ(な行~わ行)


第1巻 収録エピソード:
●オヤジ・ロック ●じじぬき ●自分会議 ●間引き ●3万3千平米
●劇画・オバQ ●ドジ田ドジ郎の幸運 ●T・Mは絶対に
●ミノタウロスの皿 ●一千年後の再会 ●ヒョンヒョロ
●わが子・スーパーマン ●コロリころげた木の根っ子

第2巻 収録エピソード:
●ミラクルマン ●大予言 ●老雄大いに語る ●光陰 ●幸運児
●やすらぎの館 ●定年退食 ●サンプルAとB ●休日のガンマン
●分岐点 ●換身 ●気楽に殺ろうよ ●ウルトラ・スーパー・デラックスマン

第3巻 収録エピソード:
●箱舟はいっぱい ●権敷無妾付き ●イヤなイヤなイヤな奴 ●どことなくなんとなく
●カンビュセスの籤(くじ) ●俺と俺と俺 ●ノスタル爺(じい) ●タイムマシンを作ろう
●タイムカメラ ●あのバカは荒野をめざす ●ミニチュア製造カメラ ●クレオパトラだぞ

第4巻 収録エピソード:
●値ぶみカメラ ●女には売るものがある ●同録スチール
●並平家の一日 ●夢カメラ ●親子とりかえばや
●懐古の客 ●パラレル同窓会●コラージュ・カメラ ●かわい子くん
●丑の刻禍冥羅 ●ある日…… ●四海鏡 ●鉄人をひろったよ

藤子・F・不二雄が描くショートエピソードで
コミカルな絵柄ながらブラックな風刺が含まれており、
ショートショートとして一級品。非常に素晴らしいデキ。

1巻は非常に読み応えがあるエピソードが多いが、
2巻はややパンチ不足。3巻は人間の本質を表現したものが多く、
4巻で頻出する不思議なカメラシリーズは素晴らしい。

「ドラえもん」をはじめ、子供向けのマンガのイメージが強い作者だが、
本シリーズは大人向けのブラックジョークで読み応えも満足度も十分。
ファンにもそうでない人にも強くオススメ。


ハチワンダイバー<1~24巻>

2012年3月3日10:28【カテゴリ : マンガ(な行~わ行)


プロ棋士を目指すも挫折し、賭け将棋でその日暮らしをする男が
将棋を軸にさまざまなことに巻き込まれる話。

序盤、下手で魅力がなく、かわいいとされている女性キャラですら
全然かわいく見えない絵に拒絶感を感じたが、
読むにつれてメキメキと面白さが伝わってきた。

精神的に弱く、度胸もないながら
将棋に関してだけは誰にも譲れない気持ちがあり、
主人公なりに努力している姿に応援したくなる。

将棋そのものに詳しくなくてもまったく問題なく楽しめ、
非常にバカバカしいことを
ものすごく高いテンションでやっていることが面白くて仕方がない。

テンポが非常によく、状況もどんどん変化するので読者を飽きさせない。
この予想できない展開の連続には本当に感心する。
どんどん勢いが加速していく感じで、読み始めると止まらなくなる。
コマがかなり大きめで1冊がすぐ読み終わってしまうので
コストパフォーマンスは低い。


死刑執行中脱獄進行中

2012年3月1日11:06【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


ジョジョの奇妙な冒険」の作者である荒木飛呂彦の短編マンガ。
いくつかのエピソードでジョジョ第4部に登場した岸辺露伴や吉良吉影が出てくるが、
彼らを知らなくてもほとんど問題なくストーリー構成になっている。

それぞれ短いながら、作者独特の奇妙な舞台設定が楽しめ、
先がどうなるのか非常に気になる展開ばかり。
特に「死刑執行中脱獄進行中」と「岸辺露伴は動かない」は熱中した。

荒木飛呂彦の絵に抵抗があってジョジョシリーズに手を出せなかった人も
この作品でストーリー展開の面白さを味わうと良い。
慣れれば慣れるほど、この絵こそが
ジョジョファンにとって非常に魅力的であることがわかるだろう。

【同シリーズのレビュー】
ジョジョの奇妙な冒険 第1部
ジョジョの奇妙な冒険 第2部
ジョジョの奇妙な冒険 第3部
ジョジョの奇妙な冒険 第4部
ジョジョの奇妙な冒険 第5部
スティール・ボール・ラン
ジョジョリオン
岸辺露伴 ルーヴルへ行く


ジョジョの奇妙な冒険<47~63巻>第5部

2012年2月24日16:51【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


ジョジョの宿敵であるディオの息子、ジョルノ・ジョバァーナを主人公とし、
イタリアを舞台にギャングとしてのし上がっていく「ジョジョ」シリーズ第5部。

相変わらずスタンド能力を使ったストーリーとなるが、
これまでとまた違った独特のキャラクターたちが登場し、
場所をどんどんと変えながら戦っていくバトルが楽しめる。
冒頭に少しだけ第4部のキャラクターが登場するが、
ストーリーそのものは完全に独立している。

各スタンドの能力はより奇妙になり、
特にボスの能力やクライマックスの展開は初見だとなかなか理解しにくいが
非常に困難な状況を独特の発想で切り抜けていく面白さはこれまで同様。

第3部・第4部でさんざんいろんなスタンドを見てきたのに
さらに新鮮味のある能力が体験できるのは素晴らしい。
印象的なシーンも多く、第4部につづいて好きなエピソード。

【同シリーズのレビュー】
ジョジョの奇妙な冒険 第1部
ジョジョの奇妙な冒険 第2部
ジョジョの奇妙な冒険 第3部
ジョジョの奇妙な冒険 第4部
スティール・ボール・ラン
ジョジョリオン
死刑執行中脱獄進行中
岸辺露伴 ルーヴルへ行く


ヴィンランド・サガ<1~11巻>

2012年2月12日10:08【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


11世紀のヨーロッパを舞台に、
戦士の息子トルフィンを軸として進んでいくヴァイキングたちの話。

登場人物の描き方が非常にうまく、
敵味方ともに感情移入しやすく、魅力的なキャラクターばかり。
また話の組み立ても見事で、回想シーンや時間経過をうまく利用して
前後のつながりを説明しており、読むほどに深みが増す。

主人公はトルフィンだが、エピソードごとに中心人物となる者が変化し、
常にそのキャラクターを応援したくなる持っていき方がうまい。
テンポもよく、短い間にキャラクターの成長や状況の変化を感じられ、
退屈せずにどんどん読み進められる良作。強くオススメ。


医龍<全25巻>

2012年1月31日10:48【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


日本の大学病院を舞台に、日本の医局の問題を取り上げた話。
さまざまな現実問題をもとに大学病院の本質を暴き、
人間心理を突いた展開が続く。

天才的な技術を持つ医師を主人公に置く物語はたくさんあるが、
本作はそれだけに留まらず、登場人物それぞれの個性を活かし、
多くの見せ場を提供している。
特に研修医の伊集院は人間的な弱さを持ちつつも
確実な成長としっかりとした覚悟を感じさせてくれる。

病院内の派閥による本音と建て前、戦略、
また、医療に関する理想と現実など
非常に深く切り込んでいて読み応えがある。

読み出すと止まらないほど強い惹きがあり、
医療に詳しくない人でも大きな魅力を感じるマンガ。強くオススメ。


外天楼(げてんろう)

2012年1月8日10:27【カテゴリ : マンガ(あ行~た行)


ロボットなどが生活に入り込んだ近未来を舞台に、
外天楼と呼ばれる団地を中心に
のほほんとした雰囲気で展開される話。

常にバカバカしい笑いでテンポよく進んでいき、
非常にレベルの高い仕上がり。
冒頭では短編集かと思うエピソードが続くが、
最終的には綺麗に一本の線につながり、
クライマックスのまとめ方は見事としか言いようがない。

これまで意識していなかった部分も伏線として活かし、
非常に綺麗な読後感を味わわせてくれる一作。