「ドラゴンボール」のキャラクターによる対戦格闘の最新作。
タイトルは違えど、このタイプのシリーズとしては長く
一般的な格闘ゲームと違ってドラゴンボールっぽい闘いが実現できるのが特徴。
これまでのシリーズでは「ドラゴンボールZ Sparking!NEO」のみプレイ済み。

パンチやキックといった攻撃をきっかけに敵を上空へ勢いよく蹴り上げ、
瞬間移動で背後に回り込んで地面へ叩き落とし、
落下したところ目がけてカメハメ波を撃ち込む、といった流れ。

これだけ書くと面白そうに思えるのだが、
シリーズが長い割に完成したシステムと言えず、
かなり遊び辛い不満点が随所に残る。相当にイマイチ。

まずは操作性。
ボタンをすべて使うのはそれほど悪くはないのだが、
直感的な配置になっていないのが問題で
必要な操作の一覧をただ片っ端からボタンに当てはめたような雑さ。

ボタンごとに系統を区別して設定されるべきなのに
状況によって行動が変わってしまうのが原因と思われるが、
たとえばXボタンがパンチ・キックなどの直接攻撃なのはいいとして
Yボタンは単体では気弾を発射する攻撃なのに
Xボタンに続けて押すと「強攻撃」というパンチ・キック系になる。

Bボタンに至っては「得意技」としてキャラクターごとに変化してしまう始末。
その内容がパンチ系だったり気弾系だったりと統一されていないので
ボタンに対する印象が定まらない。
必殺技や一部の行動に必要な「気」を溜めるのは
なんと十字ボタンの下に割り当てられており、
戦闘中に左スティックから指を外して押す必要がある。
(にも関わらず左スティックの押し込みは未使用のまま!)

Aボタンは「ダッシュ」として前進後退や敵への接近に使用し、
蹴り上げた敵を追って空中へ飛び出すのもこのAボタンを使うのだが、
ただ真上にジャンプするのはLBボタンを使う。
空中から地面方向に下りるのはLトリガーだ。
このあたりもAボタンとLBボタン・Lトリガーの印象が混同しやすく、
もう少しうまく整理できたのではないかという思いが拭えない。

RBボタンは単体では防御となり、
別のボタンと同時に押すことで回避系の行動に変化するのだが、
パンチ・キックを繰り出す「攻撃」のイメージが強いXボタンと併用すると
敵の攻撃を避ける「スウェー」になってしまう。

さらに各ボタンの長押しや、特定タイミングでの離し、
敵の攻撃が当たる直前でのボタン押し、
複数のボタンの同時押しなどが頻発するため、
最初は非常に戸惑い、ここが敷居を上げている何よりの原因になっている。
スティックの回し合いで敵と競るときや、
特定の技で追加のボタン入力が必要な場合なども
やけに画面の左端に表示されるので気付くのが遅れて失敗しやすいのも不親切。

「道場」というチュートリアルメニューも用意されているが、
最近のゲームではストーリーを進めながら少しずつ操作が表示されたり、
触っているうちになんとか理解できる作品が多い中、
本作に関しては何よりも先に「道場」をプレイし、
操作方法を理解しなければストーリーモードに太刀打ちできない。

その道場も妙に細かく項目分けがされ、ひとつの項目ごとに
キャラクターの挨拶セリフやオートセーブやメニューが表示されるため
非常にテンポが悪く、一体いつ終わるのかとウンザリさせられる。

それでも本編の難易度は高めで、「かんたん」でプレイしても
サイヤ人編の序盤、ラディッツ戦は非常に苦労した。

原因のひとつは最悪のカメラワーク。
崖や岩場の多い世界観のため、頻繁に壁際で戦うことになるが
壁際のカメラワークはひどすぎて、対戦相手はおろか、自分すら見えないことが多い。
どっち方向に敵がいて、今、自分が何をしているのかもわからない。

対戦相手の上下にズレたときにどこに行ったかわからないのも厳しい。
上下に自在に移動できるシステムなだけに、お互いの位置関係を明確にすべきだし、
Aボタンによるホーミングダッシュで敵を探す、というのは不細工。
一対一の対戦なわけだから、常に2人を映すカメラ位置であって欲しい。

もうひとつの原因が通常攻撃と必殺技の偏ったバランスで、
ドラゴンボールらしい闘いのポイントとなるパンチ・キックや
気弾による攻撃のダメージがかなり弱めの印象で、
カッコよくプレイするために結構な訓練が必要な割に
敵に対して有効なダメージを与えている感じがしない。

逆に、気を溜めてから出す「カメハメ波」のような必殺技のダメージはかなり多いので
とりあえず敵をキックで弾き飛ばしておいて、その間に気を最大まで溜め、
再び接近して究極技をぶつけるのがもっとも安定してしまう。
というよりも、それ以外の手段でコンピューターに勝つのはかなり難しいので
単調でつまらないプレイになるとわかっていても
そのあたりのスタイルに落ち着いてしまう。

むしろ必殺技は回数が限られていたり
特定のタイミングしか発動できないぐらい不便でも構わなかった。
せっかくなら上級者ほどカッコよくて強いプレイができ、
あくまでも最後のとどめや、長い我慢の末に必殺技で決める流れの方が
遥かにドラゴンボールっぽくなったと思うのだが、
現状では必殺技が最も楽で強い攻略法になってしまっている。

回避や受け流しのタイミングもかなりシビアになっているので
敵の技が当たる瞬間に防御ボタンを押すタイプの操作は初心者には厳しい。
さらには一旦攻撃が入ると何もできないままやられ放題、という状況も多く、
もう少し一般向けに敷居を下げ、
誰にでもドラゴンボールらしい闘いを楽しめるようにして欲しかった。

残念ながら本作は初心者にとってはほぼひとつの攻略法に集約され、
いかに気を溜めて究極技を撃つか、というだけになるだろう。
相手が必殺技を撃つシーンになったらRBボタンを押しながら左スティックを回し、
連続攻撃を喰らって何もできなくなったら
Lトリガー+LBボタンのスーパーライジングで脱出、というのが安定してしまう。
(この操作はやりづらいのでジャンプをRトリガーと入れ替えるのも良い)

グラフィックはなかなかに綺麗だし、動きも滑らかだが、
地面に叩き付けた相手に気弾を連続で撃ち込んでモウモウと煙が上がる様子や
最後の「仕上げ」として必殺技を撃ち込む雰囲気が再現されていないのが残念。

割と期待していた作品ではあったが、戦闘シーンの操作性とカメラワーク、
メニュー周りの洗練されていない造り、
たいした画面でもないのに直前に入る長いローディング画面など
とにかく遊び辛い仕様が目立った。
プレステ2時代の旧作の方がよくできていた、というのは残念で仕方ない。